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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2012年3月に読んだ本



TOブックス
魔術士オーフェンはぐれ旅 約束の地で /秋田禎信

オーフェンが主人公じゃないだと……。元シリーズから、20年後を描いた本作は、ティッシの息子・マヨールが主人公。いや、続編で子ども世代が中心になるのは、わりとありがちなパターンだけど、オーフェンでそういうふつーのことをやるとは思わなかったので、なんとなくショック。ティッシもオーフェンも子どもにストーリーを譲っている中、ひとり淋しいマジクが、すっごく落ち着くわ。<をい

そゆわけで、元シリーズから20年。新大陸で地位を固めたオーフェンのもとに、ティッシの二人の子どもマヨールとベイジットが《塔》の代表として訪問することに……。というわけで、子どもたちはわりとどうでもよくて<をい、いろんな意味で「大人」になったオーフェンとか、閑職に追いやられているプルートーとか、親になってるフォルテとティッシとか、そういう元シリーズのキャラたちの行く末のほうが、いろいろと興味深い一冊でした。というか、私の年齢的に、ふつーにオーフェンとかに思い入れするだろ。本作のオーフェンの年齢を考えると、同世代というかたぶん私より年下orz。

それはともかく、あのオーフェンが、自分の立場を考えて政治的な判断で行動するとか、それが、違和感無く年月の積み重ねを感じさせる描写になってるのが、ほんと凄いわ。娘を見守る姿なんかも凄いね。そしてマジク。元シリーズではマスコット的な立ち位置だったと記憶してるのだけど<をい、そんなに強かったっけか?(^^;。

[ 魔術士オーフェンはぐれ旅 ]


TOブックス
魔術士オーフェンはぐれ旅 原大陸開戦 /秋田禎信

うーむ、新しいキャストで元シリーズと同じことがやりたいのかしらん? ただ、オーフェンに比べてマヨールは、いまいち力量不足で危なっかしい。オーフェンとクリーオウのコンビは、無茶してももっと安心感があったよなぁ。

前巻からさらに3年。マヨールは、恋人のイシリーン、そしてイザベラ教師とともに、再び原大陸へ……。と、魔王オーフェンですら手に余るような危機的展開。凄い、凄い展開すぎるっ。そして、クリーオウは、変わらずクリーオウらしく凄く和らぐ。懐かしい。そんな中、主人公のマヨールは、うん、やっぱり、すごく危なっかしくて不安すぎる。ティッシとフォルテの息子なんだから実力はあるんだろうケド、どうにも読んでて心配だ。オーフェンの三人の娘たちと比べても、頼りなくって仕方ないのだけど、なんだろう、この不安感。主人公補正がなかったら、すでに死んでそうに思えるのですが(^^;。いや、それだけ凄い闘いが描かれてるということなのだけど。

それにしても、マジクがやっぱり落ち着くなぁ。てか、ラッツベインとのやり取りが楽しくて、にやにやしまくりなのだけど、いい仲になることを想像すると、いろいろと怖いところが、またいいっ!!

[ 魔術士オーフェンはぐれ旅 ]


早川書房 ハヤカワ文庫JA
南極点のピアピア動画 /野尻抱介

最高傑作級。ほんと、野尻抱介のフィクションとリアリティの見せ方は好きだわ。ニコニコ動画と初音ミクに着想した近未来SF。ニコ動にも初音ミクにも、はまってるわけでもないし思い入れもないのだけど、そんなことは関係なく、近未来SFとして、素晴らしくクオリティが高くて面白かったっ!!

そゆわけで、「南極点のピアピア動画」「コンビニエンスなピアピア動画」「歌う潜水艦とピアピア動画」「星間文明とピアピア動画」の4編からなる連作短編。いちばん面白かったのは、やぱし表題作の「南極点のピアピア動画」かな。去っていった恋人を取り戻すため、手作りの有人宇宙旅行を目指すというロマン溢れる作品。月への彗星衝突の結果発生した双極ジェットというフィクションが大前提なのだけど、現実の技術を組み立てて作られたリアリティがたまらない。ほんの少しのファクターで現実世界でも手が届きそうな説得力とその距離感が、ほんとロマンだよなぁ。

「コンビニエンスなピアピア動画」は、身近なコンビニを題材にした選択進化の話だけど、桑野のオタク臭を感じさせないカジュアルなリア充ぶりに絶望したっ!! 「歌う潜水艦とピアピア動画」はちょっといまひとつ。いや、続く「星間文明とピアピア動画」への仕込みが中心の話なんだけど、途中からの飛躍がちょっと……。そしてラストの「星間文明とピアピア動画」は、実在の人や実在の人をモデルとしたキャラが活躍する、いろいろと遊びまくった愉快な作品。って、ニコ同やネットの有名人って、あまり詳しくないのだけど、ほんとにあんな感じなの? ニコ同にはまってたらもっと楽しめたんだろうな、と思うとちょっと残念。しかし、初音ミクもとい小隅レイが世界中に溢れる世界って、作者の人、どんだけボーカロイド好きなんだよっ!!

[ 南極点のピアピア動画 ]


メディアファクトリー MF文庫J
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ5 /鈴木大輔

新キャラ・鷹ノ宮ありさ登場。秋人の婚約者で妹分、さらに純粋無垢で性格も最高っ!! マジ天使すぎるキャラの登場に秋子ピンチっ。ということで前半のありさvs秋子の闘いをにやにやしつつ読み進めてたら、本当の天使は、ぎんぎんでした(*^^*)。いやもう、「にゃお〜う」とか素晴らしすぎるだろっ!! 添えられた挿絵も素晴らしいっ!! ほんと、いいものを堪能しましたぁ〜。

ただ、秋子のポジションを奪いかねない妹分の登場という話のわりに、思った以上にストーリーが動いてないのも、ちと不満にも思ったりして。ラストの引きも、今までに比べて、ちょっとインパクト弱いよねぇん。

[ お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
鳩子さんとラブコメ /鈴木大輔

微妙、というか、一巻のせいか方向性がブレてる感じ? 平和島財閥の跡継ぎ候補となった隼人が、サディスティックな鳩子さんから帝王学の勉強を強要されてオタオタするような話かと思ったら、隼人に恋心を抱いている杏奈を、ひたすら、いぢって遊ぶような内容。いや、確かに、杏奈で遊ぶのは面白いのだけど、それなら、杏奈が主人公でよかったんじゃね?

そもそも、はじめこそ普通の少年のような描写の隼人だけど、話が進むにつれて、むしろ鳩子を手玉に取ることが増え、それどころか、はじめから全てが計算ずくだったような描写で、書きながら設定変更して言ったような感じが(^^;。しかし、ここまで優秀にしてしまうと、主人公としてはバランス悪くないかしらん? それとも、2巻以降もバランス調整がはいるのかしらん? 鳩子さんにしても、あそこまで鉄面皮なのは、ちょっとストーリー的には発展させにくいような。やはり、杏奈か、杏奈に頼るしかないのか。うーん、でも、メイン三人の中で、杏奈頼りになってしまうというのは、今後、キャラ追加するにしても、かなりツラくね?

[ 鳩子さんとラブコメ ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
姫狐の召使い /春日みかげ

春日みかげ版『ゼロの使い魔』?(^^;。普通の高校生の水原光は、陰陽師・安倍晴明に召喚されて平安時代へ……。って、『織田信奈の野望』の春日みかげらしいというか、今度は、安倍晴明の女体化かいっ!! 主人公は、その安倍清明に召喚された少年の光なのだけど、どうにも『ゼロ魔』を彷彿とさせるよな。いや、タイトルの召使いをサーバントと読ませる辺りは、むしろ『Fate』を意識してる気もしないではないけど(笑)。

その主人公、光を中心に、平安京を舞台にハーレム展開(^^;。安倍清明をはじめ、気の強いというか、主人公を振り回しまくるような女の子ばかりで、これは良い修羅場ラブコメ。特に、早々にデレた葵がいいね。いやぁ、源氏物語がベースらしいけれど、これからさらに女の子が出て、修羅場かっ、さらに修羅場なのかっ。すごく楽しみすぎるっ!! ただ、主人公の光が、あれだけ不思議体験してるのに、中二中二とウザいのが、ちと好み的にはきつかったり。次巻はちょっと変わるかしらん?

[ 姫狐の召使い ]


講談社 講談社ラノベ文庫
彼女がフラグをおられたら こんな女子ばかりの体育祭に出られるか、僕は二人三脚に出させてもらう /竹井10日

体育祭でMVPをとらないと廃寮に……、というわけで、「フラグ」が見える少年・旗立颯太をめぐる物語は、今回は体育祭。新キャラ忍者林瑠璃と英雄崎凜も登場し、いっそうハーレム化が進行っ!! 特に凜、なにこのチョロさ。素晴らしいっ!! もうもう、このダダ甘な雰囲気はなんなんだろう、もっとやれ。いや、竹井10日らしい文章回しも、相変わらず楽しいなぁっ!!

そういうわけで、ひたすら甘ったるい愉快な雰囲気がものすごく楽しいのだけど、そんな雰囲気にもかかわらず、死亡フラグに落ち込む颯太はすごく違和感あるな。一応、死亡フラグの解決がメインのストーリーになると思うんだけど、肝心の死亡フラグがすっごく浮いてる(^^;。そして、ラスト展開は、さらに新キャラ登場で、どうなるんだこれ!?

[ 彼女がフラグをおられたら ]


角川書店 スニーカー文庫
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て /竜ノ湖太郎

マジ面白いんですけどっ!! バトルや成長、謎解きと面白そうな要素をとにかく入れ込んだごった煮でカオスで荒削りな作品だけど、その荒削りさが、かえって豪快で熱い展開とマッチしていて、すっごく面白い。当初は、十六夜の強さが尋常ではくバランス悪いと思ってたのだけど、十六夜が強すぎるからこそ、残り二人、飛鳥と耀の成長物語としても面白いのんか。ほんと面白い面白い。

で、今回は、引き続きアンダーウッドのヘルプでレティシア救出。いよいよ耀メインか? と思ったら、飛鳥もパワーアップして、美味しいところは十六夜が持ってってる予感(^^;。わりと綺麗に終わってると思ったのだけど、アンダーウッド編って、次回も続くのか。敵も強力で、十六夜と耀の過去の伏線ともども、続きもめちゃ楽しみすぎるっ!!

[ 問題児たちが異世界から来るそうですよ? ]


ソフトバンククリエイティブ GA文庫
織田信奈の野望8 /春日みかげ

あうあああうああぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜。凄いっ、とにかく凄いっっっ!!! いよいよ「本能寺の変」の足音が聞こえてきそうな状況下、大ピンチの連続っ!! もうもう、半兵衛のせつないことせつないこと。そして、良晴の決心。うわああぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜。凄い、凄すぎる。最高傑作級っっっ!!

戦国武将女体化の本作も、いよいよ対毛利戦で、天才軍師・黒田官兵衛、登場。いやぁ、官兵衛中心の緩い展開かと思ったら、後半のシリアス展開がすげぇ。このままラスト展開に突入してもいいんじゃね? と思えるぐらい、感動的でテンション上がりまくり。半端ねぇ。良晴がむちゃかっこいいのだけど、ここまで絶望的な状況で、どうなるんだ、これ? そろそろ物語も終盤になりつつあると思うんだけど、それにしたって追い込みすぎだろっ。続きがマジ楽しみすぎるっっっ!!

[ 織田信奈の野望 ]


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