[ とっぷ ]  [ 最新 ] [ GAME ] [ BOOK ] [ 前月 ] [ 次月 ]

好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2012年11月に読んだ本



集英社 スーパーダッシュ文庫
ベン・トー9.5 箸休め 〜濃厚味わいベン・トー〜 /アサウラ

佐藤、爆発しろっ!! いや、佐藤と著莪の二人の関係は、ほんと理想だわ。長年連れ添った幼なじみ特有の空気感と、きちんと互いを異性として意識している様子が、素晴らしい素晴らしすぎる。素直に羨ましいわぁ〜。

そいうわけで、この9.5巻は、番外編的短編集。佐藤と著莪の二人を描いた「だいたいいつもこんな感じ」「やっぱりいつもこんな感じ」「波の音」や、オルトロスこと沢桔姉妹を描いた「簡単な質問」などが収録されているのだけど、白梅、こんなガチだったのか。怖いわ(^^;。白梅と白粉の出会いを描いた「白梅梅」が、ホント怖い。何気に、白粉も、子供の頃からたいがいな性癖だけどな(笑)。そして、白粉先生の『獣道』がいった、どんくらいの厚さなのか、わたし、気になりますっ!! いや、読書会を読む限り、どうみても、長編小説だろっ!!

[ ベン・トー ]


エンターブレイン ファミ通文庫
も女会の不適切な日常3 /海冬レイジ

シリーズ完結。あっけなっ!! ……うーん、今までのように驚きの展開というわけでもなく、あくまで綺麗に幕引くための一冊という印象。確かに綺麗なラストではあるのだけど、まだまだいろいろやれたシリーズだと思うので、もったいないなぁ。

というわけで、今回は、何故かリンネのハーレム状態になってる も女会に、クラスメートと同じ名前の少女が加入して……。とい感じで、またも改変された日常からはじまりアッパーグラスの話に繋がっていく展開なのだけど、今回は、予定調和的に進むのみで、驚きがないのはちょっと物足りないかな。ひかるやクーロ先生の正体も、ちょっとストレートすぎてがっかり。もっといろいろ出来た作品だと思ったんだけど、もともと実験的な要素が多かったし、そろそろ限界だったんだろうか。……しかし、ぜったいハーレムエンドになるかと思ったのだけど、リンネも愛も思った以上に一途だったなぁ。

[ も女会の不適切な日常 ]


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
魔法少女育成計画 restart(前) /遠藤浅蜊

これはゲームであっても遊びではない

いや、もともと、ソーシャルゲームが入り口になってる設定だったけど、今回は完全に次世代MMORPGやね(^^;。どう「restart」するのかと思ったけれど、きちんと前作からの続編で、今回のゲームもきちんと前回の事件が原因であるらしいのは素晴らしいな。前作同様、運営により殺し合いを強いられる魔法少女たち、という構図は変わらず。なんか、マジにデスゲーム。ただ、前編だけではぜんぜん全体像は見えない、見せないようなつくりだし、傑作となるか駄作となるかは後編次第かしらん。

しかし、マジカルデイジーがせつない。青春の全てを魔法少女活動にささげ、ふと振り返ると、友人もなく金もない地味で華のない大学生が一人……。そして、主人公格のペチカのウジウジとした性格が、微妙にイラついたりするわけですが(^^;。……どちらにしろ、ホント、来月発売予定の後編が楽しみだっ!!

[ 魔法少女育成計画 ]


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
千の剣の権能者 /紫藤ケイ

号泣。想像以上に綺麗で感動的なラストシーン。いやぁ、てっきりシリーズ的な話かと思って読んでたら、綺麗に一冊に纏めてるのんな。ちょっとビックリ。長編向きの魅力的な設定を一冊で使いつぶしてるのはもったいないけれど、それだけの価値のあるラストが、ほんと素晴らしいわ。

権能兵――圧倒的な異能を身につけた代償に、心を持たない帝国の操り人形。総督の後継者の地位を投げ出した青年クオンは、帝国の支配を受けない、権能兵としては本来あり得ない少女・クアディカに出会う。と、心を失いながらも戦い続ける少女と、過去のトラウマから逃げ出した少年という、なかなかにあざとい構図なのだけど、だからこそ、期待を裏切らない展開が素晴らしい。や、そもそも、この<権能兵>の設定があざといよね。古代文明の顕現とか、なにそれ、胸アツ。もちろん、ストーリーも素晴らしく、特にラストが感動的で素晴らしい。最後のイラストとか卑怯すぎるだろっ!! 泣ける、とにかく、泣けるっ!!

ただ、もっと重厚なファンタジーに描けていれば、なお良かったのだけど、そこまで新人に求めるのは酷かなぁ。いや、独自のファンタジー世界として、いろいろ想像が膨らむ設定なのだけど、その割りに、ちょっと浅くて奥行きがない描写なのんな。まあ、読み切り一冊だし、そもそも、そんなに突っ込んで描けないという側面もあるんだろうけど、それであればなおさら、一冊で綺麗に纏めちゃってるのは、もったいないよなー。

[ 千の剣の権能者 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ロウきゅーぶ!(11) /蒼山サグ

相変わらず、女子小学生を好きすぎる昴の心の声が酷すぎる(笑)。“ノー小学生、ノーライフ”とか、“うどんは、小学生に限る” とか、そんなに小学生が最高かよっ!! いやぁもう、読んでて、にやにやしまくりで、笑いが止まらない。真面目に小学生を思う昴と、やり過ぎ感が否めない地の文のギャップが、ほんとヒドイな(笑)。

そんな愉快な、高校生コーチの昴と女子小学生のバスケに青春を賭けるスポ根モノ『ロウきゅーぶ!』ですが、ストーリーのほうは、いよいよ公式戦参加のための地ならし。試合展開は熱いんだけど、今回は、ちょっと予定調和的で予想通りそのまんま、という気も。そゆ点ではちょっと物足りなかったり。……なにはともかく、これで、次回からは、対硯谷に中心とした公式戦メインの展開か。10人で、どうチームを組み立てて戦っていくんだろ。椿と柊のコンビも当然試合で重要な役割を担ってくんだろうし、スタメンとかどんな感じになってくんだ? いやぁ、今からすげー楽しみすぎるっ!!

[ ロウきゅーぶ! ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
新約 とある魔術の禁書目録(5) /鎌池和馬

……美琴(笑)。不憫というかなんというか、扱いが酷すぎて爆笑ですよっ!!

それはともかく、久々に、学園都市が舞台の上条当麻メインの『禁書』ですけど、う〜ん、すっげー違和感。いや、今回の当麻の役どころが、すっごく当麻らしくない。そういう裏で動くような役どころは、他のキャラに任せればいいと思うんだ。そもそも、『新約』になってからの当麻は、妙に正義の味方すぎて、下手に扱いづらい立ち位置になってしまってるよんな。当麻を主役に物語を作るのは、もはやムリなんじゃね?

まあ、今回は導入だし、ラストですんごいことになってるので、なにはともあれ、続き次第かなぁ。どうなるんだ、いったい? いやほんと、最近の『禁書』は、どこに進もうとしてるのか、さっぱりわからん。

[ とある魔術の禁書目録 ]


メディアファクトリー MF文庫J
あそびにいくヨ! 16 あなたもここにいてほしー /神野オキナ

自然にハーレムエンドの方向に進んでいく空気感は凄いよな。そして、発情期再びって、ライトノベルでどこまで描くつもりなんだ。<をい。……そゆわけで、今回は、悩んでいた真奈美の立ち位置が定まる回。物語のラストを感じさせつつも、まったりゆったり進む空気感は、16巻も続くシリーズならではだよな。良くも悪くも、多少のイベントでは物語はゆるがず、ロシアで事件が起きるぐらいでは、もうあまり物語を盛り上げる要素としては弱い予感。エリスの旅立ちで終幕となるんだろうけど、あとどのくらい続けるんだろう。『キャットテイル・アウトプット』との絡みも増えて、大きなストーリーはそちらに移管していく流れだと思うのだけど、最期は『キャットテイル・アウトプット』の教授がらみのイベントを持ってくるのかなぁ。

[ あそびにいくヨ! ]


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) 5 /谷春慶

最高傑作級。ハーレム展開的に女の子たちのアレコレがほんと素晴らしい中、いつの間にか、やけにスケールが大きくなってるんですがっ!! いや、ラノベで父親が出てきても、だいたい碌なことにならないので、義父登場は、すげー不安だったのだけど、、砕月にしてこの父親はありかしらん。砕月をそのまま歳を取らせたようなフザケた性格と、立ち塞がる大きな壁としての力量は、なかなかいいね。

そゆわけで、うわわ、いよいよ幼なじみの千夏が本気を出されている。オピウムを巡る非日常な戦いもスケールが大きくなり、佳境を迎えようとする中、砕月を日常側に留めようと身体を張る千夏が、可愛くて切ない、素晴らしい。そして、非日常側のタマさんも、相変わらず、ツンデレ具合がいいなぁ。そろそろパターンになりつつあるけど(^^;。……しかし、ほんとにヤバイ展開になってるんだけど、これ、きちんと、収束できるんの。

[ モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) ]


小学館 ガガガ文庫
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(6) /渡航

八幡、ここまでわかりやすく自己犠牲的な精神の持ち主だしたっけ!? これはカッコイイわ。ぼっちなのに、ハーレム展開になりつつあるのもわかるわぁ〜。

というわけで、文化祭。八幡には本来無縁のイベントなのに、何故か実行委員に選ばれてしまい……、と、いやぁ、私も、文化祭とかぼっちな人間だったので、八幡のモノローグが、いつも以上に痛い痛い。まあ、それはともかくとして、今回、八幡は、いつも以上に積極的で、ぼっち特有の観察眼と的確な計算、そして、揺るがない実行力で、今まで以上に、優秀さと優しさを示してる印象。ほんと八幡、優秀すぎて怖いわ。作品が違えば、天下を取れるレベルの凄さだよな。何故、その力量を、ひきこもりになることに使うかな(笑)。そして正直、今までの八幡からすると、自分を傷つけてまで相模を救う動きはしないと思うのだけど、あれは、ベタに自己犠牲すぎて優しすぎる。平塚先生とか気づく人間からすると、たまらんだろ。ほんと八幡、凄いんだけど、この先、どういう方向に進むんだろ!?

[ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
六花の勇者3 /山形石雄

これぞ騎士の生き様っ!! ゴルドフぅ〜〜〜。いやもう、見事なまでにゴルドフ回ですよ。苦悩の果てに掴む忠義が素晴らしいねぇ。

魔神を倒すために神に選ばれた六人の勇者「六花の勇者」に纏わるシリーズ第三弾。ミステリ的な謎を絡めた展開がストーリーに深みを与えていて、素晴らしいシリーズなのだけど、今回は、ナッシュタリアに付き従っていたゴルドフの物語。ゴルドフって、六花の中で、まるで役に立ってない、ほとんど木偶と化してたわけですが、うわぁ、こんなに化け物だったのか、すげぇ。

もちろん今回も、ミステリ張りに真実が見通せない展開も素晴らしくって、計算された構成がマジ上手いよね。ただ、終盤はちょっと無理ありすぎるよなー。や、物語的には解決しないと話にならないとはいえ、あの状況で、ゴルドフがなんとかできるとか無理ゲーだろ(^^;。一筋縄ではいかないストーリーが本作の魅力とはいえ、筋肉バカ的なゴルドフに頭脳労働させるのは、さすがにムチャだったような。

それにしても、今まで活躍してたアドレットが、今回、マジ道化になってるんだけど、ホント容赦ないな(笑)。てか、テグネウにいいようにやられるばっかりで、六花の今後はホント大丈夫なんだろうか?

[ 六花の勇者 ]


メディアファクトリー MF文庫J
ノーゲーム・ノーライフ ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです /榎宮祐

めちゃおもしろいぃぃぃっ!! いやもう、主人公の空と白が楽しい楽しい。そして、ステフがあまりに不憫すぎるっ(笑)。や、これはゲーム脳的な発想を上手くネタにした、よく出来たキャラクター小説です。

『このライトノベルがすごい! 2013』の新作部門2位だったので買ってみたのだけど、これはアタリ。いやぁ、はじめは、『神のみぞ知るセカイ』の恋愛ゲームを一般ゲームに置き換えた話かと思ったのだけど、むしろ、『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』のMF文庫J版だよね。どこかで見たいような内容で、そゆ意味ではあまり斬新とはいえないのだけど、でも、キャラの掛け合いとストレートなストーリーがホント楽しいわ。ああそうか、ノリ的には、全盛期のあかほりさとるのエッセンスを感じるよね。おもちゃにされるステフとか、健全なエッチもいいねぇ。

内容は、伝説のゲーマー兄妹・空と白が、ゲーム至上主義なファンタジー世界に召喚され、天才的なゲームの腕で活躍するファンタジー。すべてがゲームで決まる世界で、チート的な能力を持つファンタジーの住人との知恵比べ。バトルがない分、地味っぽくも感じるのだけど、イカレたキャラたちが騒がしくて、ホント愉快で楽しい物語。特に、空と白がどう見てもおかしいだろっ。互いで互いに依存しすぎて他者をおなざりにしすぎる関係も変だけど、なにより、そのゲーム脳的な思考がいろいろとおかしい。そして、そんな二人に巻き込まれたステフの扱いが、あまりに酷い(笑)。王族にもかかわらず、お約束にゲームに負けておもちゃにされる役どころ。互いの兄妹しか認めてないような空と白なので、人間扱いされずマジにおもちゃにされてる感が、ほんとに酷くて凄いな。まあ、ネタのチョイスは中高生向けな感じなので、そこは個人的にちょっと残念なのだけど、続きも非常に期待です。

[ ノーゲーム・ノーライフ ]


メディアファクトリー MF文庫J
ノーゲーム・ノーライフ2 ゲーマー兄妹が獣耳っ子の国に目をつけたようです /榎宮祐

いい意味でバカバカしい展開が すげぇ。そして、なにそのラスト。早く続きが読みてぇぇぇぇぇぇっ!!

ゲームで全てが決まる世界に召喚されたゲーマー兄妹の物語、第二弾。人類の頂点に立った二人は、いよいよ異種族の天翼種、獣人種との戦いに挑む。と、今回の最大の見所は、天翼種であるジブリールとのゲームだよなー。バカバカしいほどスケールでっかい戦いがスゲー。いろいろツッコミたくなるゲームなんだけど、ジブリールの想像だけでなく、私の想像も超えてくような上限をどんどん上回っていく展開が、ひたすら圧巻。単なるしりとりが、なんでそんなアホでスゲー展開になるかな(^^;。

それにしても、一応、ヒロインな立ち位置のステフの弄られぶりは、相変わらず酷いな。そして、空はともかく、白の性格がいろいろオカシイ。なにが、“オメガ、ぐっじょぶ”だ(笑)。やっぱ、多少ムチャで奔放な知恵比べで相手を圧倒していく爽快感と、オカシイ思考のキャラたちが、ほんと愉快で面白いな。マジ続きが早く読みたいなぁ。

[ ノーゲーム・ノーライフ ]


[ 前月 ] [ 次月 ]