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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2014年2月に読んだ本



富士見書房 富士見ファンタジア文庫
ゾディアック・ウィッチーズ2 十二星座の魔女 /朱門優

ああう、荒削りな部分も魅力の一つだったけれど、荒削りすぎるだろっ!! いや、設定が整理されてなくて、突っ込みどころ多すぎる。ていうか、わかりづらすぎるだろっ!!

<射手座>の魔女ユキハと使い魔キミオの学園魔法バトル第二弾。<牡羊座>の委員長・悠里を倒したユキハとキミオの前に十二星座最強と謳われる<獅子座>のいまりが現れる。と、新たな敵が登場、しかし、魔女を仕切る<旧家>内も対立や序列による思惑の違いがあって、という話なのだけど、なんで、わざわざ回りくどく、わかりづらい設定&説明になるかな(^^;。いろいろとこねくりまわしているんだけど、突っ込みどころ満載で、正直、出来が悪い設定だよねー。

まあ、王道的なラブコメ展開は面白いのだけど、設定説明といった背景がうるさくて、肝心のラブコメ部分が薄味なのが残念。や、設定がうるさいのは、朱門優らしいのだけど、ちょっと作り込みが甘いわ。うーん、続きは、もうちょっと改善して欲しいところ……。

[ ゾディアック・ウィッチーズ ]


エンターブレイン ファミ通文庫
リーガル・ファンタジー1 勇者弾劾裁判 /羽田遼亮

だははははははっ、いやぁ、笑った笑った大笑い。ネタの勝利なんだけど、『ドラクエ』的なファンタジーRPGのお約束と裁判の組み合わせが、もうひたすらと愉快すぎるっ!! RPGのお約束のアレコレを弁護するとか、いろいろとめちゃくちゃだ(笑)。

そういうわけで、第15回えんため大賞<優秀賞>を受賞した新人デビュー作。内容は、ドラクエ風ファンタジー世界で、弁護士見習いとその師が、被告の勇者を弁護するという話。裁判ネタということで、証拠を積み上げて真相を暴いていくようなミステリっぽい話かと思ったら、ハッタリ上等な弁論がメインなのんね。どうしようもなくダメ人間な勇者を弁護するのに、口八丁で言いくるめていく展開が、楽しい楽しい。そりゃ、RPGのお約束は、いろいろと突っ込みどころ多いけどさ。ていうか、ダメすぎだろ、勇者(笑)。

まあ、文章が硬くて読みづらかったり、構成は無駄っぽいシーンがあったり、逆に描写が中途半端あったりと、ちょっと改善の余地はあると思うのだけど、そこは新人相応という感じかしらん。まあ、ネタは面白いので、続きも期待かなー。

[ リーガル・ファンタジー ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
白銀のソードブレイカー ―聖剣破壊の少女― /松山剛

相変わらず、切なく泣かせに走ってるなぁ、と思ったら、松山剛なのに、単巻で終わりじゃないだと……。といっても、松山剛の初シリーズというわけではなく、たぶん上下巻なんだろうけど、ああ、泣くのは次かしら。

“これは、とある一人の少女が、世界最強の七人の剣聖を殺していく物語である”という冒頭の一文が全てを表しているのだけど、いやぁ、強く高潔で世界中から愛される剣聖を、ある理由で、一人ぼろぼろになりながら倒していく少女・エリザが、もう、せつないせつない。健気で、不器用で、寂しがりやなエリザが、とにかく可愛くて可愛くて、でも、救いようもない展開が見え隠れしていて、これがもう、せつな過ぎるっ。

倒される側の剣聖も、ものすごく魅力的なキャラに描かれていて、その娘らが、次々と生命を散らしていくのも、ほんと切ないわ。例えそういう理由があっても、いくらでもみんなが幸せになる方法がありそうなのに……。いやぁ、どう物語が決着するのかしら。エリザが救われるラストであってほしい。最後は、エリザもソウルジェムが濁る前に死んでしまいそうなんだけど……。

[ 白銀のソードブレイカー ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アクセル・ワールド16 ―白雪姫の微睡― /川原礫

11巻から続いていたISSキット編が、やっと完結。とにもかくにも、メタトロンが全て持っていったな(笑)。や、数いるヒロインたちの中で、いっきに正ヒロインの座を射止めた予感〜。

ISSキットに寄生された輪を救うため、そして、作戦の途中で奪われたニコの外装を取り戻すため、《災渦の鎧》マークIIとのラストバトルがはじまるっ!! っという感じの内容だったけど、とにかく、メタトロン最高っ!! それ以外の感想が出てこないよ(笑)。いやぁ、ツンデレというか高飛車的なキャラがほんと楽しい。ストーリーのかかわり方もあわせて、他のヒロインたちが霞みまくりだよっ。ニコはまだ、見せ場があったけれど、他のキャラはなにやってたっけか?<をい。……そもそも、主人公補正とはいえ、レベルのわりにハルユキ、強すぎじゃね? これじゃ、マジ、他のヒロインたちは、みんな合わせて裸になるくらいしか、活躍の場がないよ〜(笑)。

ISSキット編はこれで終わりだけど、ちらちら見せるブレイン・バーストの秘密や、白い人を含めた今後の仕込みも上々で、やっぱり、次のエピソードも楽しむすぎるぅ〜。白い人との本格対決になっていくのかしら?

[ アクセル・ワールド ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVIII 落日の都<下> /三枝零一

うわぁ、そんなキツイ展開は予想してなかった(T-T)。シティ・シンガポールと賢人会議の同盟締結を目前にして反対派に拉致された真昼。サクラたちは、無事に真昼を救い出し、同盟を締結することができるのか……。

と、マジにまさかの展開ですよ。滅茶苦茶せつない。なんといっても、一般市民も元神戸の二人も、むしろ「よかった」と思っているのがなぁ。誤解されたまま正義は救われず、悪に報いもないとか、せつなすぎるよっ。神戸の人は、やらかしたことの重さに後悔して絶望しながら死んでいくとか、シンガポールは全滅とか、そういう展開が見たかったっ!! いや、今からでも、ほとんどのシティが滅ぶような展開が希望。<をい

しかし、『ウィザーズ・ブレイン』は、絶望的な世界の先に感動的なハッピーエンドが目に見えるような物語だったのだけど、今回の展開で、どうなるんだこれ? いきなりハッピーエンドが遠くなった気がしてならないのだけど(^^;。賢人会議側に真昼以外の頭脳労働担当がいないのがツライ。真昼が先も見越して全て手を打っているんだったら、感動的な展開なんだけどなー。

なにはともあれ、あと残りのエピソードは二つか。今回出版されるまで、三年もかかっているし、ちゃんと続きが出てくれるのかが問題だけど。

[ ウィザーズ・ブレイン ]


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