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★" Star Watching   −356mm 望遠鏡−

 

NEBULITE 35cm for binoviewer


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ネビュライト 35cm 双眼装置仕様, 2013年発売 (made in Hong Kong?)
主鏡径:356mm, 口径比: 4.57, 斜鏡短径: 89mm, ドブソン式, 全重量:25.3kg
取扱店のウェブサイト: 国際光器

以前住んでいた大都市圏近郊では、どんなに大きな機材を使おうとも、遠征先の小型機材で見た星空の美しさや感動を越えることはできなかっただろう。 だから頻繁に遠征していたし、機材が大きすぎて遠征の回数が減ってしまっては本末転倒なので、気軽に遠征できる小型の機材を重視していた。 ところが、天の川がそこそこ見える田舎に居を移し、大型双眼鏡をベランダに設置してからというもの、全く遠征をしなくなってしまった。 小型機材を持ってちょっとその辺に遠征したぐらいでは、自宅の常設機材で見る星空を越えるのが難しくなってしまったからだ。 そこで、最高級の星空でこそ威力を発揮するようなパワーを持ちながら、それでいて遠征する気が削がれないよう苦なく移動可能な機材を導入することにした。

パワーがあり移動も比較的容易 (1パーツ16kg以下で組み立てが容易)、なおかつ双眼視で楽しめるとなると、機材の選択肢は限られてくる。 分解可能なトラス式ドブソニアンを改造し、既に持っている Baader Planetarium の双眼装置 Mark V (国際光器扱い) を使えるようにするのはどうだろうか? 1.25インチアイピース用の双眼装置は低倍率側の制約がキツイが、最低でも双眼鏡換算で瞳径 3mm (単眼4.2mm) の明るさは確保したいところだ (本音を言うと4mmは欲しいところだが)。 あまり無理な改造はせず1.25倍のリレーレンズで双眼装置を合焦させるものとし、広角アイピース最長の焦点距離24mmで瞳径4.2mmを達成するためには、主鏡のF値は4.6以下であれば良い。 主鏡のコマ収差を補正する光学系を取り付ける余地はないが、F値が4.6なら無くとも許容できるだろう。 将来的にリレーレンズなしで使うとしても、F値が4.3以上であれば双眼装置の開口でけられずに済む。 これなら何とかなりそうだ。

ちょうど国際光器からHubble optics社製のトラス式ドブソニアン NEBULITE が発売された。 主鏡をサンドイッチ構造にして軽量化したのが特徴とのことで、シリーズ最小口径の35cmなら、最も重いパーツ (ミラーボックス) でも14.6kg、主鏡のF値も丁度4.6だ。 簡易シミュレーションをしてみると (瞳のお話:双眼装置の開口径)、トラスチューブ短縮と斜鏡大型化の改造を施せば、双眼装置で気持ちよく使えそうだし、延長筒を付ければ単眼でも問題なく使えそうだ。 早速、販売店に改造のお願いをし、交渉開始から待つこと5ヶ月、以下の特注品が届いた。 NEBULITE 35cm 双眼装置仕様だ。
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  • トラスチューブ100mm短縮
  • 斜鏡短径70mm → 89mmへ大型化
  • 斜鏡大型化に伴う斜鏡スパイダー形状の変更
右上写真は、斜鏡スパイダーの形状を標準品 (左側) と比較したところ。 斜鏡の大型化に伴い、より鋭角になり前方に張り出した格好になっているのが分かる。 ただし、大型化と言っても中央遮蔽率は25%なので、特別大型の斜鏡という訳でもない。 双眼装置仕様ではない普通の市販のドブソニアンでも、中央遮蔽率が25%以上のものはある。

接眼部は Baader Planetarium の DIAMOND STEELTRACK に変更した (右中、右下写真)。 接眼部をトップリングに固定しているL字台座は、重量のある双眼装置 Mark V とアイピース2本を支えられるよう、厚さ10mmの頑丈なものをCOSMO工房さんにお願いして制作して頂いた。 トップリングの強化も必要になるかと予想していたが、断面がL字状になっているトップリングは比較的捻じれに強いようで、このままでも実用上は大丈夫そうだ。

また、この接眼部の2インチスリーブの先端部には切り欠きがあり、双眼装置の2インチノーズピース上部のリングを外すと、クイックリリースリングの固定ネジを切り欠きに落とし込むことができるようになる (右下写真)。 こうすると約15mmの光路長短縮が可能で、これだけで TeleVue PO 24mm がリレーレンズなしで、予想外にあっさり合焦してしまった。 双眼装置と同一メーカー製の接眼部だけあって良く考えられている。 主鏡の光軸調整ネジで主鏡の上下位置を微調整し、双眼装置をリレーレンズなしで使うときにギリギリで合焦するようにしてある。 1.25Xリレーレンズを付けた双眼装置を使うときはドローチューブを約20mm繰り出したところで、単眼で使うときは80mmの2インチ延長筒を付け、ドローチューブを約30mm繰り出したところで合焦する。

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右写真の左側は、2インチ80mm延長筒を付けた状態で、右側はリレーレンズなしの双眼装置を付けた状態で、それぞれの焦点位置付近から覗き込んだところ。 双眼装置の開口で光束が制限されている様子がよく分かる。 ロープロファイルのフォーカサーなので、繰り入れたドローチューブが主鏡に映り込むことはない。 スリーブの外 (焦点位置より後方) から撮影しているので、プリズムが全反射しないことによる影が右下に見えているが、実際は問題ないものと思われる。 1.25Xのリレーレンズを付けた場合、リレーレンズの開口径が小さいので (瞳のお話:双眼装置の開口径)、光束の制限のされ方はリレーレンズがない場合とあまり変わらない。 斜鏡の大きさはギリギリで、口径35cmの光量が確保できるのは視野中心部分のみになっているが、これ以上斜鏡を大きくしても双眼装置を使う上であまり意味がないことも分かる。

双眼装置使用時に使う主なアイピースは、

  • TeleVue Plossl 32mm … 倍率:64倍 瞳径:5.6mm (双眼鏡換算:4.0mm) 見掛:50度
  • TeleVue Panoptic 24mm … 倍率:85倍 瞳径:4.2mm (双眼鏡換算:3.0mm) 見掛:68度
  • Nikon NAV-SW 17.5mm … 倍率:117倍 瞳径:3.0mm (双眼鏡換算:2.2mm) 見掛:72度
  • TeleVue Nagler T6 13mm … 倍率:157倍 瞳径:2.3mm (双眼鏡換算:1.6mm) 見掛:82度
  • TeleVue Radian 8mm … 倍率:256倍 瞳径:1.4mm (双眼鏡換算:1.0mm) 見掛:60度
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となっている (倍率と瞳径は1.25Xのリレーレンズ装着時のもの)。 使用頻度が最も高いのは Panoptic 24mmだ。 この機材では小さ目の天体を見ることが多いので、普段は 1.25X のリレーレンズを付け85倍以上で使っているが、リレーレンズなしで TeleVue PO 24mm の68倍、実視界1.0度、瞳径3.7mm (双眼鏡換算) の双眼で見る大型の星雲はやはり素晴らしい。

トップリングには、SmallRigのΦ15mmアルミロッドを取り付けハンドリング・グリップにした (右上写真)。 斜鏡用ヒーターのケーブルは白色だったので、黒色の熱収縮チューブで被覆し斜鏡スパイダーに結束バンドで固定した。 ヒーターコントローラーは使用せず、普段は30Ω1.5W (180Ω1/4Wを6本並列) の抵抗入りコードを介して12V電源に繋ぎ、パワーを上げたいときは20Ω2Wの抵抗入りコードに変更、もしくは抵抗入りコードを外すという3段階デジタル調整方式(!?)を採用した。

等倍ファインダーのスカイサーファーIIIだけでは力不足に感じるので、正立ファインダーの国際光器 EF-508 を追加した (右下写真)。 3点押しネジによるファインダーの方向調整は意外と面倒なので、SLIKの自由雲台 SBH-100N (重量100g, 耐荷重2kg) をトップリングに取り付け、自由雲台で方向調整を行っている。 ワンアクションで方向が固定できるので、この方が調整は大分楽だ。 スカイサーファーIIIと同様、正立ファインダーの暗視野照明も単4電源化したが、途中に180Ωの抵抗を入れ照明の輝度を落とした。 電源は可能な限り単4電池に統一している。

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ところで、光軸調整には右写真の半自作レーザーコリメーターを使っている。 もともとは、直輸入した海外大手望遠鏡メーカー製の (同型の製品としては価格が高めの) レーザーコリメーターだったのだが、光軸がずれており、調整を試みるもネジロック剤が思ったより硬くて失敗。 海外から到着したその日のうちに、製品は燃えないゴミと化してしまった。 ネジを固定するならキチンと調整してからにするか、ユーザー側で調整できるようにしておくかのどちらかにして貰わないことにはゴミが増えるだけだ。 このままでは地球の資源があまりにも勿体ないので、筐体だけは再利用することにし、 秋月電子通商でレーザー発光モジュールを購入し、12φアルミパイプ、水道修理用Oリングなどを利用して、光軸調整可能なレーザーコリメーターに再生した (右写真)。 ちなみに、バレルと上部フランジの垂直も出ていなかったので、バレル上部にはゴムのOリングを入れ、フランジでスリーブに固定されてしまうことのないようにしている。 電源は例によってエネループ2本だ。

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低高度の対象に向けたときの振動防止に、高度ベアリングの先端とミラーボックスを繋ぐアルミのステー (3mm厚) を両側に追加した (右上写真)。 このステーを装着すると振動が大分減る。 また、双眼装置を使うときのバランスを取るためにカウンター・スプリングを取り付けた (右上写真)。 2本のスプリングをリングキャッチで直列に接続し、不要な時は2本を簡単に分離できるようにしてある。 かなり適当に取り付け位置を決めたが、実用上はこれで何の問題もない。

ミラーボックスの底には、塩ビシートと艶消しスプレーで作った遮光板を入れた (右下写真)。 また、水平回転軸ベアリングの上部を黒色塗装、各種ボルトを黒のステンレスボルトに変更する等の迷光対策を行った。 水平回転軸ベアリングに取り付けてある脚は首振りタイプに変更し、確実に接地するようにした。

ちなみに、主鏡は標準のsemi-enhancedアルミコートからenhancedアルミコートに変更してある(注1)。 はじめ、再メッキでenhancedコートにして貰おうと主鏡を再メッキ業者に出したのだが、あえなく破損してしまった。 enhancedコートでは主鏡を250度程度まで加熱するらしいが、その後の徐冷過程の温度変化に耐えられなかったらしい。 通常の一枚鏡では、このようなことは無いとのこと。 また、SiO2の保護コートならここまで加熱しないので問題ないだろうとのこと。 サンドイッチ構造のミラーで enhancedコートを望む場合、同構造のミラーで実績のある再メッキ業者を探すか、あるいは初めからenhancedコートにしておくのが無難なようだ。 結局、Hubble opticsから同スペックでenhancedコートのミラーを再度購入した。

(注1): Hubble opticsのウェブサイトを見ると、ULシリーズの主鏡はデフォルトでenhancedアルミコートに変更になったようだ。

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組み立て効率を上げるため、組み立てで唯一工具が必要だった高度ベアリングの接続ボルトを、ミラーボックスと干渉しないように工具レス化した (右上写真)。 Hubble opticsのマニュアル等を見ると、もともとは工具レスだったものの、強度を上げるために別のプレートを介して接続するように変更した関係で工具が必要になってしまったようだが、やはり初めから工具レス化しておいて欲しい。

また、トラスチューブの先端には切り欠きを入れた (右下写真)。 双眼装置を付けるとかなりのトップヘビーになるが、トラスチューブ全体がすっぽ抜けるように外れたりでもしたら怖いので、切り欠きを入れるのは8本のトラスチューブのうち4本だけにしておいた。 ノブボルトも15mmから10mmの短いものへ変更し、組み立て効率は倍以上になった。

これで思い描いていた機材が取りあえず完成した。 35cmの口径でありながら、コンパクト・軽量で、双眼装置の等倍から2インチアイピース単眼までをカバーする。 慣れると15分もあれば組み立てから簡単な光軸調整までが可能だ。 ベランダでも使いたいので、普段は2階の書斎に置いているのだが、収納時に場所をとらないのは本当に助かっている。 実測重量はトップリング3.4kg (8x50ファインダーを除く)、ミラーボックス15.0kg、ロッカーボックス3.4kg。 車のトランクルームから降ろすときなど短距離の移動なら3つを併せたままで持ち運べる。 移動・組立てをしてみて、口径35cmにしておいて良かったと思う。 これよりも大きくて重いミラーボックスを持って、狭い階段を無事に降りる自信はない。 売れ筋が口径40cmのようなので悩んだが、もし40cmにしていたら、玄関か屋外に専用の保管スペースを作る羽目になっていただろう。

最近は『双眼装置用等倍レンズ』なるものが出ているようなので、このような双眼装置仕様の改造を施す人はもう居ないだろうが、個人的にはとても気に入っている機材だ (双眼装置仕様と言っても、中央遮蔽率が25%とやや大きめなのと、単眼で使うには80mm延長筒を付けなければならないだけで、あとは何ら変わらないのではあるが…)。 天の川がそこそこ見える我が家では、ベランダからでもアンドロメダ銀河の暗黒帯をいとも簡単に見せてくれる。 遠征先はもちろん、自宅からでも深宇宙へと誘ってくれる機材だ。


追記 (2018/03)

このドブソニアンは殆ど双眼装置で使っているが、単眼で有効最低倍率を出すために2インチアイピースも一つ用意している。 当初は15cm対空双眼鏡と兼用で Kasai EWV 32mm を使っていた。 倍率51倍、瞳径7.0mm、視野環径は2インチバレル最大の47mm (実視界1.7度)。 ちょうど瞳径7mmで最大実視界を達成しているところが、有効最低倍率用として最適だった。 しかし、EWV 32mm は15cm対空双眼鏡とともに去っていった。

ところで、もう何十年前になるだろうか、まだ天体写真に嵌っていた頃、遠征先でドブソニアンを見せてもらったのだが、そのときのイメージが未だに脳裏に焼き付いている。 星空の背景がとにかく凄く明るく見え、その明るい背景の中でM51子持ち銀河やM13球状星団がクッキリと浮かび上がっていた。 記憶が定かでないのだが、瞳径8mmだと聞いて、7mmを超えていることに驚いた覚えがある。 そこで、次に Baader Hyperion Aspheric 36mm を試すことにした。 倍率45倍、瞳径7.9mm。あの感動をもう一度という訳だ。 喜び勇んで星空に向けてみたが、しかし、背景の明るさは EWV 32mm と変わりなかった。 何十年か前は瞳孔が8mmまで開いていたのだろうか? それとも長年のうちに記憶が美化されたのだろうか? あのイメージは一体…

Hyperion Aspheric の海外評に「ハンマーでかち割りたくなった」というのがあった。 そんな大袈裟なと思っていたが、自分も同感であった。 明るい対物Fに対応していないため、周辺で激しい非点収差が発生し、良像範囲が極めて狭い「目が回る」ような視野なのだ (F>6なら周辺像も素晴らしいらしいが)。 同じ対物でも Panoptic や Nagler で収差が気になるようなことは全くないので、問題なのは対物のコマ収差ではなく、アイピースの非点収差だ。 瞳径8mmが無用であることも分かったので、このアイピースに固執する理由はない。

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そこで、EWV 32mm の後継の Masuyama 32mm に買い替えた。 やはり有効最低倍率用として最適なスペックは捨てがたい。 しかし、Hyperion 36mm ほどではないにしろ、周辺では非点収差が発生する。 非点収差が主要因とは言え、コマ収差を補正すると周辺像が若干改善されるらしいので、等倍コマコレクターのMPCC IIIを装着することにした。 MPCCは、M48マント面から後方57.5±1mmにアイピースの焦点位置が来るようにする必要がある。 Masuyama 32mm の焦点位置はバレル上端だ。 長さ35mmのバレル先端にBaaderの8mm厚のフィルター枠を装着し、更にMPCC付属の14mm延長リングを装着すると、合計で 57mm となり規定内に収まった。 しかし、長さ80mmの延長筒にもバレルが入りきらないという長大なアイピースの出来上がりだ (右写真)。 星空を見てみると、周辺像は確かに若干改善したが、単眼をメインとするならNagler 31mmに行くべきだろうと言うのが正直な感想だ。 私の場合、単眼ではあまり使わないし、長大ではあるが軽量というメリットもあるので、有効最低倍率アイピースはこれで満足することにした。


追記 (2019/02)

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TeleVue PL 32mmはアイレリーフが長くブラックアウトしやすい。 おまけに、このアイピースは双眼装置使用時の最低倍率アイピースなので、ネビュラフィルターを使いたいときに出番が多いのだが、そうすると対象が暗くなるのとブラックアウトが相まって非常に見辛くなる。 その対策として、TeleVueからEyeguard extenderなるものが出ているので入手した (右写真)。 ただ見口を8mm嵩上げするだけのものにしては価格が高すぎるので、大小の普通のゴム見口をはじめからアイピースに付属しておいて欲しいものだ。 アイピースの手前に置いてあるのは、Astronomik製のHβフィルター (左) とUHCフィルター (右)。

このアイピースにHβフィルターを装着すると、自宅ベランダからでも馬頭星雲が逸らし目を駆使し何とか辛うじて確認できた。 1.25Xリレーレンズを付けても確認できたが、リレーレンズ無しの等倍の方が確認しやすかった。 もとから持っていたLE 30mmから、わざわざこのPL 32mmに買い替えたのは、双眼装置等倍で使いたかった (絞り環位置の関係) のと、ヌケの良さからなのだが、その甲斐があった。


追記 (2020/10)

双眼装置で使ってばかりで、2インチアイピースの出番がないので、Masuyama 32mm と等倍コマコレクター MPCC III は手放した。


追記 (2020/12)

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光学ファインダーとして EF-508 を使っていたが、倍率8倍は低すぎて、もう一つ付けてある等倍ファインダーと重複している感じがする。 正立直視なのは大変に気に入っているが、周辺星像がボケていて星雲と勘違いしてしまうことがあるのも気に入らない (見掛視界を50度に狭めようかと本気で検討した)。 ならば、性能の良い 16x70 の双眼鏡を分割し単眼鏡として使おうかとも思ったが、正常品を壊してしまうのは忍びないし、ジャンク品は見つからない。

ちょうど、Nikon のフィールドスコープ ED50 に16xワイドDSアイピースが付いた中古品を見つけたので使ってみることにした (右写真)。 16倍で実視界4.5度、見掛視界は旧表示で72度の超広角だ。 しかも、アイピース込みで重量 625g と、EF-508 (脚込) よりも軽い。 普段は20倍程度の双眼鏡で星空を流しているので、ファインダーもこれぐらいの倍率があった方が戸惑わなくて良いね。

ちなみに、同じ Nikon の Monarch 5 16x56 双眼鏡も持っているので星空で比べてみたが、中心星像、軸上色収差補正、倍率の色収差補正、見掛け視界、良像範囲の全てにおいて ED50 の方が勝っている。 光学性能においては、対物レンズの F 値を大きくできるスコープの方が双眼鏡より有利なのだろう (ED50は F=5.6 らしい)。 しかし、見易さや迫力も含めた総合評価では、やはり双眼視という点で 16x56 が上回る (と個人的には思う)。 ED50 で 16x56 双眼鏡の代替もできるかと期待していたのだが、そうは行かないようだ。


追記 (2021/08)

ED50 のフィルター取付ネジは Φ55mm なので、OLYMPUS の1.7倍フロントテレコンバーター TCON-17X (既に販売終了) をそのまま取り付けることができる。 そうすると有効径は 56mm に拡大され、27x56 スコープとして使えるようになる。 性能もなかなかのものだ。 16x56 M5 双眼鏡の方が双眼視という点において ED50 より良いと上に書いたが、もともと 16x56 M5 自体の出番が少ないことや、 17x56 超高視界双眼鏡が使えるようになったこともあり、 16x56 M5 は手放した。


http://www2e.biglobe.ne.jp/~isizaka/nstar/
by Satoshi ISHIZAKA