列車には、ガイド付きの日本人ツアー客が居合わせた。時折ガイドの話に耳を傾ける。ただでガイドが聞けるなんて、やったね。車窓からの眺めはまさに見事。このまま降りずに、また戻ってもいいくらいだ。でも、明日の景色はもっとすごいのだろうなあ。
ベルゲンに着いて、まずは明日と明後日の列車の予約をするため、駅に両替所がないので、町へ出て銀行を捜す。最初に目に付いた銀行に決め、どの窓口に行けばいいのか、インフォメーションに訊いてみると、台の前に並んで、緑のランプがついたら、並んでいる順番にその窓口に行けばいいとのこと。良いシステムを取っている。両替を終え、目星をつけていたユースホステルに向かうが、途中で雨が降りだした。駅の中で、雨具をかぶり、先程の銀行での両替のレートを見てみると、オスロに比べ低い。しかし、5000円分の差は、1.9クローネ。1クローネが大体20円だから38円。まあいいか。
ユースホステルは、駅に近いこともあって、簡単に見つけられたが、ガイドによるとまだ受け付けの時間になっていない。もしかしたら、大丈夫かなと思って門から入ってみると、二人が話している。声をかけて泊まりたいと言ってみると、ここがオープンしているのは6〜8月とのこと。ありゃりゃ。安いホテルを知っていないか訊いてみると、インフォメーションに行くといいと言われ、場所も教えてくれた。どうやら駅の中のインフォメーションではないらしい。そのインフォメーションに行き、安いホテルを紹介してくれるように頼むと、心が和む素晴らしい笑顔で、ホテルのリストをくれた。そのリストから、最も安いのを選んだ。どうやらユースホステルのようだ。ガイドにも書いてあったような気がする。予約をしてくれるように頼んだが、地図を広げだし、その場所と行き方を説明しだした。どうやら予約はここでは出来ないらしく。直接行けばいいらしい。予約をしなくても泊まれるという事なのかもしれない。
まず、教えられたとおり、郵便局の近くのバス停まで行き、ガイドでバスの乗り方や、料金を調べたが載っていない。10分後ぐらいに目的の路線のバスが来た。これに乗り込み、ユースホステルのあるバス停の名を告げ、そこまで行きたいと運転手に言うと、このバスでいいとのこと。料金も訊いてみた。すると15クローネで、払おうとしてコインを調べていると、何日分かと訊いてきた。とりあえず1日と答えた。良く考えると、1日とは24時間なのか、それとも買った日だけなのか? う〜ん、オスロの場合は16クローネで1時間だから、これと比べると、明日は駄目なのだろう。
間もなくして(15分ぐらい)、どうやら着いたようだ。降りるお客さんが顔で僕を促す。運転手さんからも声がかかり、礼を言って降りた。キョロキョロしていると、前に降りた人が、ユースホステルは向こうだと指さしてくれた。礼を言って、ユースホステルへ急いだ。
少し坂を上ると、それらしき建物が見えたが、工事をしている。もしかしたら、営業していないのかと不安がよぎったが、奥の方に回り込んでみると明かりがついており、一安心。よかった〜。すんなりとチェックインでき、部屋へ入ると4人部屋。鍵を渡されたので、一人で使えるのかもしれない。シーズンオフだからだね。とってもきれいで、日本のビジネスホテルよりもいいほどだ。荷を整理し、来る途中で見かけたスーパーで夕食を買おうと出かけた。店に入ろうとすると店員の顔がおかしい。もしや、もう閉店の時間なのかと思うやいなや、店員が、ショーケースの明かりを消しだした。まずい、早くしなければ。しかし、なかなか目的の商品が見つけられない。店員の一人が煮をきらし、もう閉店なんですと言ってきた。商品の場所を訊くと、しょうがないなあといった顔をして取ってきてくれた。何とか、買うことができ、出口へ向かうと、戸の鍵を開けながら若い女性の店員さんが笑顔で送ってくれた。
部屋へ戻り、先程買った夕食で、腹を満たし、2日ぶりのシャワーを浴びた。いや〜さっぱりした。髭も2日ぶりに剃った。そして、ランドリールームがあったが、手洗いで洗濯をして、よく搾り、スチームの暖房機の上に洗濯物を干した。すぐに乾きそうだ。談話室に行ってみると、老人と、若い女性の二人が居たが、静かにテレビを見ている。話しかけられるような雰囲気ではない。北欧の国民性なのかな〜