駅で、今日のルートの確認をするが、なんと、降りる駅が間違っているではないか。しまった。でも、何とか大丈夫かな、と思って列車に乗り込み荷を降ろした。しかし、気になるので、予約の訂正をしに行った。手数料はかからなかった。あー申し出て良かった。
列車は、雨?雪?のために遅れている。これでフォルム線の列車に間に合うのかなあ。乗り換えの駅に着き、雪の舞うホームに降りた。オスロから来た乗客がまだいるので、フォルムへの列車も遅れているようだ。しばらくして、列車が来た。客車は二両、コンパートメントの方に乗り込む。老人と、中年の男性と一緒だ。後ろのコンパートメントは一人のようだ。良く見ると女性。席を移ろうかなと、一瞬思ったが、思い止まる。窓からの眺めは、う〜ん、晴れていればもっと良かっただろうに。ガイドでは、見どころで止まってくれると書いてあったが、止まることはなかった。シーズンオフだからか。
フォルムに着いた。フェリー乗り場は目と鼻の先だ。チケットを買ったが、ユーレイルパスでの割引はなかった。これは痛い。これもガイドに書いてあるのと違う。待っている間に昨日買ったパンの残りで昼食。食べている間、先程の女性とよく目が合う。目が合うのは彼女が僕を見ているのではなく、僕が気にして彼女を見ているためだと思い、話しかけるのはやめた。フェリーの出発の時間が近づいてきたので、外へ出てタバコを吸っていると、彼女がタバコをねだってきた。そしてちょっと会話。フェリーではこの女性の隣に座った。
へえー、これがフィヨルドかあ。まるで別世界だ。ここで暮らしている人がいることにも驚きだ。フェリーの後ろからカモメがついてきているので、パンの残りを投げてみると、水面に落ちてから食べた。空中で食べてくれないかなあ、いっそのこと手から直接ってのもいい。両方とも試したが、駄目だった。
グッドバッケンの村に着く頃には、同じテーブルに座っていた人たちとも打ち解け、ボスへのバスを待つ間に、一緒にビデオに映ったり、カメラを写したりした。バスに乗り込み、また彼女の隣に座った。ボス駅に着くとベルゲンへの列車の時間までしばらくあり、彼女がビールを飲みたいという事で、ホテルのバーへ。彼女には三人の子がおり、17、12、7歳の男の子だ。この子達が、別れた旦那さんの所へ遊びに行っているので、自分も旅行することにしたという。彼女は、アメリカ人で、現在はロンドンに住んでおり、元の旦那さんはブラジルに住んでいるとのこと。肩がこっているというので揉んであげようとしたが、列車に乗ったらね、と言われ後回し。
列車に乗り込み、しばらく話した後に、方を揉んだ。強い手ね、と言われた。彼女の体もがっしりしていた。車中の話は、こんな事、海外で話す機会はないだろうと思っていたことを話した。僕が医師になったら何処の科に行きたいか、その理由、そして何をしたいか。研修が終わったら何処の病院に行きたいのか、その理由。彼女とはどうして別れたのか。など、知っている単語を並べて、どうにか答え、理解してもらえたようだが、あ〜もっと英会話を勉強しておけば良かった。
ベルゲンにつくと、同じ列車でオスロに行くということで、その女性と、アメリカ人の夫婦、日本人を父にもつブラジル人と一緒に食事をするはめになった。今日の分の予算はもう使いきってしまったので、残っていたパンで夕食にしようと思っていたのに。なんと言って断ればいいんだ。あ〜もっと英会話を勉強しておけば良かった。
食事は、高そうなインド料理店でとることになった。なるべく安くしようとカレーを頼んだ。久しぶりの米だ。ウェイターに頼んだ後に、トラベラーズチェックを両替しに駅へ戻った。銀行でなくても両替してくれるのだ。おごってもらえるのを期待して、席を立つときに両替をしてくると言ったのだが、そんな期待は見事にかわされた。心が渇いた分、お腹は一杯になった。この席では、彼女たちの話しているテーマは保険制度のことだと分かったが、それだけしか分からなかった。もちろん口を挟むことはできなかった。あ〜もっと英会話を勉強しておけば良かった。
寝台車に乗って、おやすみなさい。もちろん部屋は違う。