Apr.11
列車は大分遅れてオスロに着き、寝台車から降り、昨日の一行にまた出会えると期待していたが、出会えたのはブラジル人の男性のみだった。外は、風が強く寒い。まずは、王宮を目指す。働きに行く人々が足を急いでいる。観光客らしき姿は見えない。しばらく歩くと急に目の前が開け、王宮が見えてきた。道の両脇には白い旗が並んでおり、王宮への道を際立たせている。王宮に着き、その広場の一角の丘で昨日の残りのフランスパンで朝食。若い女性二人が掃除をしている。おそらくあるバイトだろう。次に行ったのは、市町舎。中には自由に入れ、暖かい、飲料水も確保できた。そして、オスロ大学。ムンクが描いたという壁画が何処にあるのか分からず、あるドアを開けてみると、ゼミをやっている部屋のようだ。すぐに戸を閉めたが、何の用かと講師らしき人が出てきてしまった。謝って、その場を立ち去った。次いで、国立美術館。ムンクの叫びを見たが、予想していた感動は得られなかった。絵のサイズが小さかったためだろうか。歴史博物館は、ガイドブックでは11時開館であったが、入ってみると12時開館だと言われ、表で待つことになった。寒い!しばらくして、老夫婦とそのお孫さんらしき人も入場を断られベンチに座り、開館を待つ。やっと中に入ってみると、なかなかしゃれた作りになっていたが、あまり面白くはなかった。寒さをしのげたので、まあ良しとしておこう。
この町では、もう観るものもないので昼食のためにスーパーを探す。やっと見つけ、適当に買って、朝と同じ場所に戻り昼食。駅へ戻り、時間をつぶす。スロットマシンをやってみたが、負けてしまった。トイレを使うためにバーガーキングに入り、コーヒーを買ったが、店内のトイレも料金が必要であった。いくらか分からないので1クローネ入れてみたが開かない。もっとコインが必要なのだろうか?コインを入れてみても開かないと気分が悪いので、我慢することにした。
駅のベンチで座っていると、日本に1年間住んでいたことがあるというノルウェー人に声をかけられた。英会話を教えながら、東京駅の喫茶店でアルバイトをし、日本語の勉強をしていたとのこと。話は、彼はゲイであるという意外な方向に進んだ。なんとノルウェーでは男同士でも結婚でき、彼にとってとても住み易く、それに比べ日本はまだまだ遅れているとのこと。彼はまだ結婚はしていないらしい。彼に同情しつつビクビクしながら話を聞いていたが、何事もなく話すだけ話して去っていった。いい暇つぶしだった。
クシェットは、若い女の子二人と同じ部屋、何もなかった。隣のベッドの子は、ヘッドホンで音楽を聴きながら眠っている。誰の曲かは分からない。北欧の女性は皆甘い香りの香水をつけているようだ。