Apr.15

 フェリーに乗ったようだが、車掌さんは起こしに来てくれない。下のベッドの人たちは起きる気配もないし、一度は観ているので、このまま寝ていることにした。ちょっと起きて、トイレに行きたいのだけれど。朝方は何度も目が覚めてしまい、時間を確かめていた。車掌さんはあてにできない、下の人たちが、私達が起こすからいいと、親切心で断ったりすることが考えられるからだ。
 無事に、寝坊することなく、列車をケルンで乗り換え、その後フュッセルドルフでまた乗り換え、フェリー乗り場のある駅で降りた。フェリーの切符売り場で、ユーレイルパスで乗れることと、発船時刻を確かめ、駅に戻り、リコンファームの電話をする。O.K.!!大丈夫だった。これで一安心だ。公衆電話でかけて、コインが戻ってきたことを考えると、どうやらフリーダイヤルで、国外からは繋がらないようになっているようだ。

 フェリーに乗船した人は少なく、静かに、のんびりと、ライン河下り(実際には上り)を満喫できた。途中寄らない船着き場なんかもあって、バッハラッハが近づくにつれ、とばされるのではないかと冷や冷やしたが、アナウンスを聞くと、どうやら停まるようだ。ここでも一安心。

 バッハラッハにつき、古城とインフォメーションを探していると、日本人に話しかけられた。ソムリエの集まりでケルンに行って来た帰りで、その昔ワインの産地として有名だったこの地を訪れたそうだ。珍しいワインを見つけたということで見せてもらったが、僕には、瓶の形が珍しいとしか分からなかった。ここでワインを飲んで行くべきだと奨められ、列車の時間がもうすぐということで、別れた。

 インフォメーションを見つけたが、行った時間はまだ閉まっている時間だった。近くにあった掲示板で、古城の場所を確かめ、その掲示板のすぐとなりの階段を上っていった。長い階段と坂道を上っていったところに、古城が見えた。ここが今日の宿泊場所だ。チェックインにはまだ早い時間だったが、ちょっとロビーで待っていると声をかけてくれ、チェックインできた。ディナーはどうするか聞いてきたので、料金を訊くと9マルクだ。頼むことにした。しかし、伝票に900と書いたように見えたので、確かめると、
「900マルクだったらショックで死んじゃうわ。」
ってなことを言われ、笑われた。良く見てみると900ではなく9.00だった。部屋は城の円筒の部分にあり、塔の入り口は電子ロック形式。間取りはもちろん円形で、清潔、新しくリフォームされたようだ。ドミトリーだが今のところ2人しかいない。快適快適。

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