The Tanglewood Festival は1934年から例年夏に開催されている音楽祭。現在はボストン響主体。室内ホールでのコンサートもあるがメインは"Koussevitzky Music Shed"で開かれる野外コンサート。森に囲まれた広い芝の中にシェドは建てられており、人々はピクニック・バスケットを広げ、チーズやワイン片手に音楽を楽しむ。
アメリカぐるめ探訪--その12--Lenox編
タングルウッド周辺には Lenox, Lee, Stockbridge など小さな町がいくつか。どこもアメリカ東部の他の田舎町と似た雰囲気。しかし最も近い Lenox は何故か歴史的最高級フレンチレストランが2件もあるという食の町だったのだ。
Luau Hale(夏威夷) Restaurant
Chinese, Polynesian, Szechuan(この最後のが何かわからない)料理という変わった店。店内もハワイアンが流れていて壁の絵は竹というよくわかんない雰囲気。やられたかと思ったが意外や味がよかった。
一皿にライス、メイン、サイドが全部乗っているというアメリカのダイナーでよくある盛りつけ。メインは海老ジンジャー炒めでセロリ他野菜がたっぷり。ライスは多分ブラック・ライスと呼ばれるもので炒飯の一種。エッグロールという春巻似の揚げ物は野菜の湯葉巻のようなものだった。店内の4組のうち音楽祭に行くと思われる日本人が半分。
Lenox 218
店名は住所から。外見からは意外な程シャレた内装。なぜか和風の絵だがモダンなインテリア。雰囲気もサービスもよく、AAAガイドにはカジュアルとあるがどちらかというとフォーマル。ニュー・イングランド・シーフード・ケーキというものを頼んだらコロッケで驚いた。しかしおいしかった。これが人気メニューの一つ。タングルウッドに来た折にはまた寄りたい。
豪雨の
タングルウッド音楽祭鑑賞記
オープニング特別プログラムの今日はあのフランス革命200年祭で歌ったジェシー・ノーマンが出演。演奏はもちろんボストン響、指揮は小澤。
演目は全て Strauss 作品で"Don Juan"から"Tone poem after Lenau", "Five Songs with orchestral accompaniment", "Der Rosenkauvalier"から。
大雨は開演前に上がるが不安な空模様。予報はサンダー・ストーム。我々の席は分不相応な屋根付き舞台から2ブロック目で、とりあえず雨に濡れる心配はない。
売店でとっても似合うし雨よけにもなるとすすめられて買ってしまった黄緑の麦わら帽を、隣の席のご婦人にも褒められる。旅行中はこんな些細なことがうれしい。
2曲目から前期エジプト王朝王冠型帽にエメラルド・グリーンのローブ姿でエジプト女王のようなジェシー・ノーマン登場。しかしそこへ席にも降り込む程の豪雨。歌声も掻き消えるような雷鳴に観客もざわめき、"Five Songs.."の途中で舞台から下がってしまう。休憩になり一同雷雨が治まるのを待つ。雷が止んだところで再登場。先に歌った2曲も2度聴けてお得。She was so stunning! 素晴らしいソプラノ(私はテノールはあまり好きではない)にはどれ程優れた楽器の演奏もかなわないと思う。野外なので音響は当然ホールに劣るのだが、それに優る暖かい雰囲気と観客のボストン響、ノーマンへの溢れんばかりの尊敬と愛情が感じられるコンサートだった。
終わって屋根の外へ出るとピクニックの片づけをしている人々が。豪雨の間どうしていたのでしょうか。