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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2002年11月に読んだ本



講談社 講談社文庫
顔に降りかかる雨 /桐野夏生

桐野夏生という名前は良く見かけるし、もともと、コバルト文庫とかでも書いてたらしいので、わりと趣味に近いかな−、と思って、買ってみたのだけど、わっ、ぜんぜん、コバルト系の作風とちゃうやん。だまされたー。<ちげー。……や、93年度の江戸川乱歩賞とからしい。

そういうわけで、好みな内容ではないのだけど、味のある登場人物たちが魅力的で、良いねぇ。ストーリーへの吸引力も凄くて、いや、面白かった〜〜。まあ、読んでる間は、展開が凄くて面白いのだけど、読後に振り返ると、そんなに凄いわけでもない予感もするのだけど(^^;。や、最近、たまに、女流作家の小説も読んでるのだけど、この作品に限らず、女流作家の描く 30歳前後の心に傷のある女性の主人公って、ほんと、深くて味があるよな〜〜。

しかし、巻末の解説には、「本作を恋愛小説としてとらえる」ということが書いてるけど、私的には、恋愛小説と思わなかったなー。やっぱ、恋愛モノは、中高生ぐらいが主人公じゃないと。<をい


角川春樹事務所 ハルキ文庫
チェンジリング 赤の誓約 /妹尾ゆふ子

眼鏡っ娘ぉ〜〜。内気で、後ろ向きで、不幸系の女の子。や、痛い、痛い、すごく痛い〜〜。思わず、[文庫]『カラミティナイト /高瀬彼方』とかを思い出してしまったりもしたのだけど、この『チェンジリング』の主人公の美前は、さらに、後ろ向きで、親友もいないという、や、とことん痛いぞ(^^;。

で、基本的には面白かったのだけど、ただ、話の内容的には、ラストは、私的になんだかなーという感じだし、美前の心情描写も、あまり良く描かれてるとは思えなくて、微妙にいまいちに感じた部分も。同じ妹尾ゆふ子の『真世の王』が素晴らしかったので買ったのだけど、『真世の王』に比べちゃうと、ちとアレか。


集英社 コバルト文庫
流血女神伝 砂の覇王(9) /須賀しのぶ

エティカヤ編終了、ひたすら面白かった〜〜

や、面白かった以外の感想が、出てこない。むちゃ強引ではあるけれど、よくここまで、この一冊で、纏められたよなぁ。……ただ、未消化の伏線というか、置いてけぼりのネタも多いのだけど、その状態で、このラストって、次のザカール編は、大丈夫なのか(^^;。

参考:既刊の感想 → 流血女神伝


角川書店 スニーカー文庫
ホラー・アンソロジー 悪夢制御装置

4人の作家の作品からなる短編集。一応、乙一と、あと、岡本賢一目当てで購入という感じで、↓。

ふたり遊び /篠田真由美

オチがなんだかなーという感じで、私的に×。中盤までは、わりと面白かったんだけどなー。

闇の羽音 /岡本賢一

らしい作品で面白かった。ただ、ちょっと短くて、描写も削ってある感じで、そこら辺、残念。こういうアンソロジーだと、ページ数に制限があるだろうし、仕方ないかなぁ。

ラベンダー・サマー /瀬川ことび

特に、ラスト、無理にホラーな味付けにしない方が良かったのになー。いや、素直な恋愛モノで、感動系にしてくれれば好みだったのに。わりと面白かっただけに、残念。

階段 /乙一

ちょっと良い話系ではなく、怖い系の話だったので、がっかり。<って、「ホラー・アンソロジー」なので、当然なのだけど(^^;。……でも、ホラーにしても、ちょっと抑え気味な感じで、乙一らしい作品ではあるし、相変わらず上手いのだけど、どことなく物足りない予感。

↑どの短編も、微妙に短いためか印象に弱くて、面白いんだけど、物足りない予感が(^^;。


メディアワークス 電撃文庫
ダーク・バイオレッツ 2 闇の絵本 /三上 延

はう、予想に反して<をい、面白かった。というよりも、とにかく、めちゃくちゃ、今後に期待。や〜、あの追加された設定。ああいうの、もの凄く好きなのよ〜〜。この巻、微妙に買うか迷ったのだけど、1巻で切らなくって、ほんと良かったよ〜〜。

そゆわけで、幽霊を倒しつつ、微妙に三角関係を繰り広げるシリーズの 2巻。1巻は、面白いのだけど、微妙に魅力の欠ける内容で、この巻も、前半は、そういう風に感じたのだけど、後半は、なかなか引きづりこまれる内容で、さらに、柊美の追加設定に、くらくら。とにかく今後が楽しみだよ〜〜。

まあ、人物描写に深みがなかったり、構成もそんなに上手くなかったり、そういう部分が、いまいち魅力に欠ける原因だと思うのだけど、とにかく、めちゃくちゃ頑張って欲しい。すげ〜期待ぃ〜〜。

参考:既刊の感想 → ダーク・バイオレッツ


講談社 講談社ノベルズ
サイコロジカル(上)(下) /西尾維新

今までの作品と比べても、圧倒的に、好き勝手やってるだけの、若くて、とんがった文章。や、素晴らしい〜〜。なんだか、突き抜けちゃってる感じだよ〜〜。

内容というか物語は、わりと、どうしようもないと思うのだけど、むしろ、そういう風なのは、意図的なもので、とことん、書きたい方向に拘って遊び尽くしてる感じ。や〜、もう、いろいろな意味で、感心。とにかく、おもしろかった〜〜。

ただ、ラストの後日談は、×。や、某請負人は、好きなんだけど、質的にいまいちだし、そもそも、最後で迎合するようなのは、ちと。もう、それまでが、素晴らしくて素晴らしすぎただけに、すごく残念。

参考:既刊の感想 → 戯言シリーズ


早川書房 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
アイオーン /高野史緒

くぅ〜〜、傑作、最高傑作級っ!! めちゃくちゃおもしろかった〜〜。

や、途中までは、小説の世界に浸れなくて、苦痛なくらい つまらなかったのだけど、一度、世界に入ると、もう、めちゃくちゃ面白いのよ〜〜。13世紀の西欧を舞台に、SF的要素を加味した作品。もうもう、この世界観が素晴らしい〜〜。アーサーとか、かっこいい〜〜。しかも、えろえろだ、こんちきしょ〜〜。とにかく、おもしろかった〜〜。

そいえば、『ムジカ・マキーナ』を読んだとき も、面白さを感じるようになるまで、かなり時間を要したのだけど、やっぱ、世界史の知識弱すぎよな、私。まあ、高野史緒の文章って、ある纏まった量を読まないと、良さがわかりづらいという側面もあると思うのだけど。や、それよりも、文章より世界観で魅せるタイプ、という説もあるか。でも、多少序盤に苦労しても、これだけ面白ければ、もう、十分素晴らしい〜〜。

あ、でも、「S.P.Q.R.」だけは、違和感びしばしで、いまいちだった。まあ、あとがきを読むと、精神的に大変だったみたいなので仕方ないかもしれないけど、ちと残念風味。


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
A君(17)の戦争 4 かがやけるまぼろし /豪屋大介

この手の話で、このありがちな展開は、大抵、つまらないので、ある程度、覚悟はしてたのだけど、予想以上につまらなかった。なんというか、薄っぺらい おざなりなネタを並べてるだけで、そのネタも、すべりまくってるし。そもそも、表面的には上手くごまかしてるけど、根本的に、ラブコメの面白さを理解してないでしょ? 萌え系のネタも然り。ストーリー全体の描写も、素人が抱くステレオタイプのような、浅い描写に終始しているので、稚拙な印象を増幅してる感じが。

もともと、斜に構えた表現が好きな作者だなぁ、と思っていたのだけど、単に、真正面から書くだけの力量がなかっただけなのかしらん。や、この巻で、俺評価、大幅ダウン。続きを買うか、ちょっと迷うなー。<毛色の違った異世界モノという意味では、そこそこおもしろいんだけど、どうにも、下手というより、むしろ、作者のレベルが低すぎる、という感じに思えてしまって、ちょっと。

参考:既刊の感想 → A君(17)の戦争


講談社 講談社ノベルス
すべてが F になる /森 博嗣

飲み会で、「理系でミステリが好きなら読め」とタイトルがあがったので、せっかくだから、読んでみたり。って、私、ミステリは、そんなに好きなわけじゃないけれど。1996年の作品。

そゆわけで、わっ、確かに、これは、理系な人向けだわ〜。なんだか、むちゃ取っ付きやすい。ほんと、理系の大卒ぐらいの人なら、すごく違和感ない雰囲気。すごく馴染む〜〜。で、ラストのファミレスでの会話が秀逸だねぇ。や、良かったよ〜〜。

でも、ストーリーは、いまひとつ物足りない感じ。や、密室&天才というと、西尾維新の戯言シリーズを思い出してしまうのだけど、アレと比べると、いまいちキャラが大人しいのが敗因(^^;。あと、伏線で示唆してるまんまの素直なトリックなので、「やっぱり、そうかー」という感想になっちゃうのも、ちょっと。ちゅーか、そもそも、萌絵の三角関係が中心じゃないし!!<をい


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