エピローグを別にすれば、……すごくつまらないんですけど。
上中下巻を、間を置かずに読んだのであれば、もうちょっと違う感想も出たのかもしれないけど、この下巻は、どうにも説明ばかりで、さらに、その説明も「なんだかな〜」という内容で、とにかく、つまらない。内容的にも、わざわざ、3冊もかけてやるほどのものとも思えないし、どうもこの下巻は、盛り上がりにかける。せめて、当初の予定通りに、上下巻でまとめれば よかったのに。
中巻までは、それなりに良かったので、残念。結局、10点満点で、『星虫』シリーズが 8点ぐらいだとすると、この『ミドリノツキ』は、せいぜい 3点ぐらい? いや、ラストのエピローグは好きなんだよね、エピローグは。
参考:既刊の感想 → ミドリノツキ
内気で読書とインターネットが趣味な智美@眼鏡っ娘が、とことん不幸な状況に追いこまれて行く話。智美を軸に、親友の優子@ポニテ娘と、全ての不幸の元凶である忍が主な登場人物なのだけど、優子がいくら前向きでも、智美と忍がとにかく後ろ向きなので、状況が悪い方悪い方に転がっていく。第2巻なんて、今にも自殺しそうな精神状態の智美と、さらに不幸に転がりそうな伏線。おもしろいんだけど、読んでて、ちと嫌な気分になってくるぐらいにょ。
前々から、内気な眼鏡っ娘が主人公の話、と聞いていたので、気になっていた作品だったけど、予想以上におもしろくて、くらくらです。こんなんなら、さっさと読んでれば良かった、というか、早く続きは出ないのか〜〜。
やっぱ、アラクセイト、素晴らしい〜〜。っていうか、1巻では、単なるドジで落ちこぼれ風味な女の子という印象だったのが、いつのまにか、むちゃ天然ボケの入りまくってる ぽややん娘と化していて、ナイス。ソラミイノとのコンビも、落ちこぼれの頼りない娘としっかりしたお姉さん風の娘のカップリングと思っていたのが、完全にボケツッコミな関係になってしまってるけど、それでも、凄く良いよ、この二人。なかなか楽しい小説なのです。
って、でも、文庫の後半が、番外編という構成はなんだかなー。<1巻を読んだときは、短編2本かと思ってたのだけど、本編+番外編でした(^^;。番外編も本編と同程度におもしろければいいのだけど、番外編は、各段につまらないし。今後も、こういう構成で進めていくのかしらん。富士見ファンタジアのように、本編と番外編は、べつべつに出していくのが、筋じゃないのかー。
参考:既刊の感想 → 聖石の使徒
すでに各所で絶賛されてて、今更な感もありますが、相変わらず、素晴らし〜〜。
やっぱり、好みの方向性ではないのだけど、素晴らしいものは、素晴らしい。「正しい原チャリの盗み方・後編」も良ければ、「十八時四十七分三十二秒」も最高っ!! って、やっぱり、夕子@浅羽妹か。「正しい原チャリの盗み方・後編」の方が好きかも。凄いよな、なんでこんなのが書けるんだろ。このラストの、いかに綺麗なことか。「十八時四十七分三十二秒」のラストも綺麗なのだけど。とにかく、綺麗なのよ〜〜。泣ける話ではないのだけど、胸の奥がじ〜んとくるような。ほんと、すばらしい〜。
参考:既刊の感想 → イリヤの空、UFOの夏
最強のレベリオンとか、対レベリオンなアレス・システムとか。突然に、周りが強くなりまくって、主人公の恭介って、もはや、一般人レベルになってしまってる気がするのは、気のせいでしょうか。……こうなったら、香澄博士が恭介を改造したり、合体したり、いまこそ そういう展開をっ!! <絶対、ありません(^^;
そういうわけで、今後の展開の為に舞台を整えることが目的みたい巻なので、今一つ盛りあがりにかけるのは仕方ないか。ミステリ部分も、あたしは物理学方面の知識が弱いせいか、かなりうさんくさいようにしか思えないし(^^;。いや、香澄はいつもどおりなので、十分おもしろくはあるですが。あのラストはあまりにあまりなので、うぅ〜、さっさと続きを〜〜。
参考:既刊の感想 → レベリオン
すごく綺麗な、ミステリで、ちょっぴり SF 風味。『レベリオン』を除けば、あたしが今まで読んだ三雲岳人作品で、いちばん好きなお話かも。<って、もともと、三雲岳人作品って、あたしのツボにはまるのが少ないのだけど、その割には、ほぼデフォで買ってる気もするけど(^^;。
そういうわけで、客の少ない喫茶店を舞台にした、一応、心温まる系っぽいお話。各登場人物たちが個性的で、すごく いい味を出している感じ。好みとしては、どうせなら、ミステリではなく、純粋な心温まる喫茶店モノにして欲しかったのだけど、さすがにそうすると、三雲岳人の作風ではないか(^^;。いや、ほんとに良いのよ〜。
……分厚い。
この前読んでた [小説]『デルフィニア戦記』のオリジナル。つまり、もともと『王女グリンダ』を書いていたのが、出版社が倒産のため打ちきり。で、中央公論新社に移って、一から書き直したのが『デルフィニア戦記』という関係らしい。……あとがきとかで、『デルフィニア戦記』は『王女グリンダ』の続きのつもりなのに、『デルフィニア戦記』とは別に『王女グリンダ』の続きを求める声が大きく困惑している、みたいな発言があったけど、読んで納得。基本設定と大まかなストーリー展開は同じかもしれないけど、ほとんど別の話になっちゃってるじゃん(^^;。
とりあえず、『デルフィニア戦記』と比べると、『王女グリンダ』は、リィとシェラの話というだけあって、ウォルの出番が激減。『デルフィニア戦記』の主人公なのに、あぁ、なんという。……わざわざ書き直しただけあって、『デルフィニア戦記』のほうが出来は良いのだけど、『王女グリンダ』も、これはこれでおもしろい予感。って、まあ、続刊も出ないわけで、あくまで、『デルフィニア戦記』との比較という楽しみ方しか出来ない気もするけど。
相変わらず、ミステリーでも、探偵モノでもないけれど、特に表題の「雨のちカゼ」が素晴らし〜〜。いかにも、あたしが絶賛しそうな話で、絶賛するしかないので、絶賛します。ほんとに、素晴らしい〜〜っ。
気が弱い系の桃太と食い物にしか興味のない真花との、まだ恋愛からは程遠い二人の恋愛ストーリーが中心なわけですが、このテイスト、凄く好きだわ。もっと、刊行ペースをあげて、ざくざく続きを読ませて欲しいけど、やっぱ、これ、ミステリー文庫で出す内容ではないよなぁ。<ファンタジア文庫的でもなく、少女小説系のテイストでもないので、どこの文庫で出しても、違和感あるという説はあるけど。
参考:既刊の感想 → なばかり少年探偵団
この最終巻は、ちと、急ぎな感じが。しかも、各キャラは予想通りに行動して、予想通りに落ち着くだけの、なんだか、淡々とイベントを消化しましたという感じなので、どうにも、物足りない予感。同じストーリー展開をするにしても、もっと描写を増やさないと、いまいちだよなぁ。
シリーズ通してみても、後半もつまらなくはないけれど、やはり、話が進むに連れて、物足りなくなった印象は否めなかったり。というか、読んでて、無理やり 5巻に纏めました、という印象がするのが、にんとも。いや、イラストの騎羅さんと作者の吉岡平さんの間に、いろいろ確執があったらしい、ということを聞いてるから、そういう風に感じるのかもしれないけど。
参考:既刊の感想 → 旋風のカガリ
[小説]『スカーレット・ウィザード』は、あそこで終わりにしておいた方が綺麗という気もしていたのだけど、『スカーレット・ウィザード』と、新シリーズを繋ぐお話なので、続きを書かざるを得ないのは仕方ないか。しかし、あとがきにもあるけど、外伝とは言わないよな、これ。
今回は、『スカーレット・ウィザード』の主人公ケリーが中心だったからいいものの、その息子が いまひとつパッとしないので、新シリーズって、この子が中心ってことだと いまいちっぽいよなー、と、ちと、心配しつつ読み進めていたのだけど、……そんななネタ、いいんですかいっ!! それは、強力すぎますよ(^^;。
なんだか、もう、めちゃくちゃなんだけど、新シリーズは、すげー楽しみ。……それにしても、ラストの近くまで、ぜんぜん気がつかなかったよ。
参考:既刊の感想 → スカーレット・ウィザード全5巻、デルフィニア戦記全18巻