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好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! −2007年10月に読んだ本



集英社 コバルト文庫
マリア様がみてる 薔薇の花かんむり /今野緒雪

やぁぁぁーーーーーーっと、祐巳と瞳子が姉妹に。長かったなぁ。

そゆわけで、祐巳と瞳子の儀式からはじまり、「三年生を送る会」「紅薔薇さま黄薔薇さまお別れ会」へと。もっと祐巳と瞳子のラブラブメインの話になるかと思ったら、そこはわりとあっさり気味で、むしろ、いよいよお姉さま卒業へのカウントダウン、といった感じかしらん? や、「紅薔薇さま黄薔薇さまお別れ会」のラストの描写が非常に綺麗だよなぁん。そして、祐巳の描写がほんと巧いよなぁ。や、今から卒業式がほんとに楽しみです。

[ マリア様がみてる ]


集英社 スーパーダッシュ文庫
警極魔道課チルビィ先生の迷子なひび /横山 忠

おもしろい、おもしろい。ちびっ子天才魔道士・チルビィ先生は、可愛い外見とは裏腹に、無敵のパワーで、お子様らしくわがままにやりたい放題。「死神の子供」と恐れられていた。と、なんとなく、某『スレイヤーズ』を思い出しましたよ(^^;。

第6回スーパーダッシュ小説新人賞、佳作受賞作。なんといっても、お子様先生が魅力です。といっても、「ロリ」ではないし、それ以前に、「萌え」的要素もなくて、あくまで、キャラとして面白い、という意味ですが(^^;。いやぁ、軽いコメディ的なファンタジーとして、なかなか楽しい作品でした。まあ、チルビィ先生の描写はふらふらしてるし、展開的にも、いきなり王蘭が出張ってきたりと、ちょっと作品として軸がぶれてる感じがするんだけど、そこら辺は新人だということを考えれば、許容範囲かなー。

[ チルビィ先生の迷子なひび ]


東京創元社 創元SF文庫
遺跡の声 /堀 晃

銀河辺境宙域に残された、様々な惑星の文明遺跡を調査する調査員を描いた連作短編。なにかドラマがあるというより、既に滅んでしまったor滅びの際にある、いろいろな文明の姿を描くことに注力されてるのだけど、私は、ドラマがあるタイプの方が好きだからなー。こういうのが好きな人には堪らないんだろうケド、うーん、好みじゃない。加えて、1970年代、80年代に書かれた作品が中心なので、ちと古さを感じるのは仕方ないかなぁ。

[ 遺跡の声 ]


角川書店
遠まわりする雛 /米澤穂信

素晴らしい。特に、表題の「遠まわりする雛」が、非常に綺麗で繊細な恋愛モノとして仕立ててあって素晴らしい。ていうか、古典部シリーズで、まさかこういう内容を持ってくるとは思わなかったよ。

そゆわけで、古典部シリーズ最新刊。省エネを信条とするホータローと「わたし、気になります」が決め台詞の千反田えるを中心とする青春ミステリー。今回は、雑誌連載分を纏めた連作短編。単行本では時系列通りに並んでるけれど、初出をみると、必ずしも時系列順に書かれたわけではないのんな。なんでわざわざ、そういう風にしてるんだろ?

それはともかく内容的には、謎解きメインの小話が中心なので、私的にいまいち楽しめなかった話も少なくなかったんだけど、「あきましておめでとう」「手作りチョコレート事件」「遠まわりする雛」の三編が、いやぁ、良かったっ!! 特に、「手作りチョコレート事件」→「遠まわりする雛」は、微妙な心情を綺麗に描いた、青春で恋愛な物語になっていて、ほんと面白かったです。しかし、次から微妙に書きづらいそうな気もするけど。

[ 古典部シリーズ ]


メディアワークス 電撃文庫
悪魔のミカタ666(4) スコルピオン・デスロック<下> /うえお久光

だはははははははははははははっ、はっはっはっ裸かぁ〜〜っ、もう、めちゃくちゃおもしれぇーーーーっっっ!!

『紅白祭』後編。《グレイテストオリオン》の影響で“熱血化”する生徒達。『紅白祭』も佳境に入り、“熱血化”は人知を超えてさらに激しく燃え上がるっ!! と、もう、想像を越える、先が読めない展開。そして、その展開のひとつひとつが、とにかく楽しく大笑いしまくりで、にやにやも止まらないっ。ほんと、ひたすら面白かったぁ〜〜。最終競技の棒鳥騎馬戦は、もう凄まじいとしか言えないのだけど、洋平との結末も凄いよなぁ。いやぁ、本当に、面白かったっ!!

[ 悪魔のミカタ ]


メディアワークス 電撃文庫
ウィザーズ・ブレインVI 再会の天地<下> /三枝零一

すげー、すげーよ、その展開っ!! 中央召集会議での弁論と、その後の熱い戦闘。『ウィザーズ・ブレイン』らしく、綺麗な気持ちを持った人たちの熱く泣ける話に仕上がっていて、ホントに良かったです。

先の短い自分の生命を犠牲にし、マザー・コアになろうとするアニル。そんな兄の想いを知りつつも、理想のためにマザー・コアの交換を阻止しようとするルジュナ。歴代の登場人物たちも両陣営に別れ、いよいよシティ・ニューデリーの命運が決まる。

と、そんな感じで、ほぼオールキャストが両陣営に別れて、ガチの頭脳戦に、魔法対決に、さらには艦隊戦まで。どんだけ凄い闘いですかっ!! さらに悲惨さを増した世界の中、熱く、そして悲しい話が、ほんと素晴らしいです。その中で、特に素晴らしかったのが、会議での真昼の発言と策略で、ほんとゾクゾクするよなぁ。ただ、前巻でも感じたのだけど、両陣営に別れて闘うには、かなり無理があると思うのだけど、まあ、そうしないとバトルにならないので、仕方ないかなぁ。個人的にはバトルよりも、みんな一緒になって、仲良く笑いあった姿を早く見たいという気持ちもあるんだけどなぁ。

[ ウィザーズ・ブレイン ]


徳間書店 徳間デュアル文庫
福音の少年 虹のウロボロス /加地尚武

うわっ、いきなりスケールが大きくなってるなぁ。そして、少年の成長物語として、非常に綺麗で良質になってますよっ!! なんといっても、ぐいぐいと読ませる展開が、めちゃくちゃ面白かったです。……でも、その分、今までの恋愛&ホームコメディ的な部分は、ほとんどどこかに行ってしまってるんですけどぉ〜。

魔法使いの最高位「ウィザード」に就任してしまった恵。その地位と影響力を実感せぬままの軽率な失言で、世界は大混乱に叩き落される……。というわけで、平均以下の中学生が、自ら引き起こしてしまった大事件に、はじめは呆然となにも出来ず、やがて立ち向かう中で成長していく、という良質な成長物語。アナもエリカも出番が減ってしまって、恋愛&ホームコメディ的な部分が弱くなってしまったのは残念だけど、これはこれで、非常に面白かったです。……しかし、ここまで恵が成長してしまうと、今まで通りにはストーリーは進められないと思うのだけど、特に、アナやエリカとの関係は、どうするつもりなんだろう。

[ 福音の少年 ]


富士見書房 富士見ミステリー文庫
ROOM NO.1301#9 シーナはヒロイック! /新井 輝

「俺たちは全部、手に入れるぜ」 ……ヤバイ、ヤバイよ。只でさえエッチ三昧な健ちゃんが、シーナに影響を受けて、危ないことを言い出してますよ(笑)。エロエロだ、マジにエロエロすぎるぅ〜。

一年ぶりの本編新作。シーナ&バケッツも TV出演、シーナの話もいよいよ佳境、といった内容なのだけど、おおう、健ちゃんが自分を肯定しはじめていて、ビックリですよ。ストーリーも大きく動くのかしらん? それはともかく、いつも通りの雰囲気のある描写で、相変わらず素晴らしい。次巻は、とうとう日奈が、がふぅ〜〜。

[ ROOM NO.1301 ]


筑摩書房 ちくま新書
ウェブ炎上 ネット群集と暴走の可能性 /荻上チキ

作者の人はブロガーなのか。こちらの人らしい。内容的には、「炎上」についてというよりも、むしろ、「サイバーカスケード」と「ハイパーリアリティ」について実例を挙げながら語るというのが中心。いつも思うのだけど、この手の新書は、タイトルと内容が一致しないことが多すぎると思う。……ちなみに、「サイバーカスケード」「ハイパーリアリティ」とは、だいたい、以下のような感じ。

  • サイバーカスケード
    議論をしたり見てたりしてると、反対意見に歩み寄るのではなく、むしろ、意見が先鋭化して偏向が強まる、という現象。インターネットに限らない現象みたいだけど、インターネットでは顕著に見かけられるらしい

  • ハイパーリアリティ
    実体を伴わずにイメージだけが自走して、多くの人に受け入れやすい「デマ」が形成されたりすること

つまり、「サイバーカスケード」と「ハイパーリアリティ」を上手く解決できれば、ネット上での議論はもっとハッピーになる、その解決策のひとつがまとめサイト、というのが、本著の趣旨だと思うのだけど、筆の運びが慎重で自己の主張を濁すような書き方なので、結論がわかりにくいのが気になるところ。逆に、実例を豊富に挙げて丁寧に書いてるとも言えるので、この手の新書では、わりと良心的だと思いました。ただ、私的には、もっと自己主張が激しい内容のほうが、好きなんだけどなぁ。

[ ウェブ炎上 ]


アスキー アスキー新書
Google vs セカンドライフ 3Dウェブ仮想社会の覇権争い /山崎秀夫

筆者は野村総合研究所主席研究員。わかりやすく説得力のある内容で、新書としてはかなり書けてる予感。なかなか面白かったです。……ただ、タイトルは内容とあってなくて、あくまで、セカンドライフを中心にメタバース(3Dウェブ仮想社会)上での、今後のビジネスモデルについて考察する、というものなのんな。

以下、メモ。

  • セカンドライフは、「コミュニティ形成が弱い」というのが大きな特徴であり、弱点
  • そのため、コミュニケーションを求める10代20代は少なく、30代中心の年齢構成、そして、リピート率が非常に低い(15%程度、mixiだと70%)
  • リピート率が低いため、セカンドライフに閉じたアプローチは効果が薄い。ビジネスを成功させるには、メルマガやホームページと組み合わせて、きちんと戦略を組み立てる必要がある
  • ビジネス利用で意識すべきなのは、第三者と一緒にいることによってコミュニケーション効果を促す「メアプレゼンツエフェクト」と、アバターのニーズとアバターを操作するユーザーのニーズの違いを明確化すること
  • 具体的には、教育や研修、遠隔ミーティング、窓口相談などが向いている
  • メタバースを普及させるには、アバターの標準化が重要
  • セカンドライフはサーバのオープンソース化を行い、デファクトスタンダードを狙っている
  • ホロデッキの技術は既に現実にあり、近い未来に、3Dインターネットが基本になる
  • 2011年には 8割の人が 3Dインターネットに参加するとの予測がある
  • 現在のウェブページは、3Dインターネットから二次的にアクセスするようになると予想されている

[ Google vs セカンドライフ ]


講談社 講談社ノベルス
不気味で素朴な囲われた世界 /西尾維新

西尾維新らしくキャラクタの作りがめちゃ面白いなぁ。変でぶっ飛んだ会話も非常に楽しい。ただ、キャラクタ小説としてはすごく面白いんだけど、ストーリーはちょっと微妙な気も。

『きみとぼくの壊れた世界』の続編。といっても、世界観が同じだけで、直接な繋がりはほとんどなし。……いやぁ、妙な言葉遊びとおかしな会話が、ほんと面白いなぁ。ちと表面的すぎる気もするんだけど、こぐ姉、ろり先輩、ふや子さん、病院坂先輩と、きちんと萌えポイントを押さえた描写も素晴らしい。そして、その後の扱いも、いかにも西尾維新らしい。ただ、キャラ的には面白いんだけど、ストーリーは普通にミステリでオチも弱く、そこは、ちと物足りないよなぁん。

[ きみとぼく ]


富士見書房 富士見ミステリー文庫
幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ /木ノ歌詠

ストーリーよりも雰囲気重視な内容で、確かに、雰囲気は素晴らしい。素晴らしいのだけど、どうにも微妙な感じが否めないんだよなぁ。

列車へ飛び込んで自殺しようと駅に向かった海幸。しかし、町唯一の鉄道は、いつの間にか廃線になっていた……。という感じで、生に倦み自殺を考える少女・海幸と、その自殺に手を貸すという若手芸術家の少女・リガヤの一夏。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や寒天ゼリーといったアイテムの使い方が非常に上手い。ただ、雰囲気の形成を、そこに頼り切ってる部分があって、本来ベースにあるべき、海幸とチコちゃんの家族関係や、閉塞感のある田舎という生活環境の描写が弱いんだよなぁ。そこら辺の描写が厚かったら、もちっと良かったのになぁ。

そいえば、映画は疎いのでアレだったのだけど、作品内で使われている『ダンサー・イン・ザ・ダーク(→Amazon)』って、実在するのんね。

[ 幽霊列車とこんぺい糖 ]


エンターブレイン ファミ通文庫
暴風ガールズファイト /佐々原史緒

めちゃおもしろい〜〜。女の子の一人称形式で書かれてるんだけど、その主人公・広海の語り口が、とても生き生きしていて、素晴らしいわぁ。正統派スポ根モノとしても、十分にクオリティは高く、いやぁ、良かったよぉ〜〜。

五十嵐千果は、ラクロスで日本一を目指す、嵐を呼ぶ女。ラクロス部があると聞いて聖ヴェリタス女学院に入学したものの、そのラクロス部は、部員不足ですでに消滅寸前っ!! というわけで、部員勧誘から始まり、徐々にチームを形作り、やがて一丸となって困難に立ち向かうという、友情と青春の正統派スポ根モノ。広海と千果を中心に、個性的な仲間たちも非常にキャラが立っていて、よく出来てるわ。ほんとおもしろいおもしろい。……まあ、せっかくの女子高なのに、青春&スポ根モノに終始してるのは、ちともったいない気もするけれど(^^;。

しかし、部員はまだ 8人か。1チーム12人というのは、なかなかキツイ競技を選択してるよなぁん。

[ 暴風ガールズファイト ]


小学館 ガガガ文庫
にこは神様に○○される? /荒川工

おもしろいおもしろい。キャラ同士のやり取りがコミカルで楽しく、そして、ストーリーも綺麗に纏まっていてなかなか良し。……まあ、あまり動きの少ないストーリーなので、ちと物足りない部分もあるのだけど(^^;。

そゆわけで、[WIN]『Lien(→感想)』や [WIN]『このはちゃれんじ!(→感想)』のシナリオライター・荒川工の初ライトノベル作品。たまたま神さまを召喚してしまった貧乳眼鏡少女・にこと、召喚されたセクハラ美少女の神さまのまったりとしたコメディ。いやぁ、バカな会話を中心とするコミカルなノリが、やっぱ、魅力的だよなぁ。ホント、読んでておもしろい。そして、ことみようじの挿絵も良いねぇ。尖がった部分がないので、物足りない部分はあるのだけど、いやぁ、ホントにおもしろかったです。

[ にこは神様に○○される? ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
鋼殻のレギオスVII ホワイト・オペラ /雨木シュウスケ

いくらレイフォンとはいえ、さすがに、そりゃ無理だろぉ〜〜〜。いや、おもしろいんだけど、やっぱり、説得力の持たせ方に疑問を感じるんだよなぁ。私的には、もうちょっと、なにがしかのシーンを追加して、描写なり説明なり伏線なりを追加した方がいいと思うんですがっ。まあ、ハイアとの戦いはさほど重要ではないので、それでもいい気はするけど。

そゆわけで、迫る都市戦っ。相手はリーリンの滞在する学園都市マイアス。都市戦はどうなる? そしてリーリンは無事再会できるのか? ついでに、サリンバン教導傭兵団のハイアにも動きが……。というわけで、レイフォンを巡るラブバトルに、いよいよリーリン本格参戦かっ!? というところなんだけど、なんだか、メイシェンの影がひたすら薄くなっているのが気になるところ。もう、リーリンvsニーナvsフェリの三つ巴で進むのかしらん。何はともあれ、いよいよ続きが楽しみですっ!! ……や、変に話を広げずに、レイフォンの周辺だけを書いてくれればいいんだけどなぁ。

[ 鋼殻のレギオス ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌― /あざの耕平

最高傑作級、ううぅ、泣かせるなよ(T-T)。

『九龍の血統』に制圧された特区。ジローと別れ、シンガポールに逃げ延びたミミコは、やがて、特区奪回のための一歩を踏み出す。という内容だったのだけど、うわぁ〜、ミミコの最後の台詞とそれに到る過程がマジに素晴らしい。特区脱出時の活躍により、自身を巡る環境の変化に戸惑うミミコ。それはミミコを打ちのめし、さらに、突きつけられる『豪王』の難題が、ミミコを追い詰める。いやぁ、もうもう、ミミコを巡る描写の数々は、ホント秀逸だと思う。とにかく素晴らしかったぁ〜〜。

……ただ、ミミコに限らず、他のメンツも順調に歩みだしてるのは、ちと希望を描きすぎてる感が。シリーズ構成を考えると、特区を制圧されたばかりなんだから、まだまだ、絶望の中にいてもいいと思うんですが。<をい

[ BLACK BLOOD BROTHERS ]


文藝春秋 文春新書
ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 /佐々木俊尚

20の論点それぞれについて解説したモノ。目次がそのまんま内容を端的に纏めてるので、以下、目次を抜粋。

  • 論点1 amazon アマゾンが日本のオンラインショッピングを制覇する
  • 論点2 Recommendation お勧め(レコメンデーション)とソーシャル(人間関係)が融合していく
  • 論点3 行動ターゲティング 行動分析型広告は過熱し、ついには危うい局面へ
  • 論点4 仮想通貨 電子マネーはリアル社会をバーチャルに引きずり込む
  • 論点5 Google グーグルvs.マイクロソフト 覇権争いの最終決着
  • 論点6 Platform 携帯電話キャリアは周辺ビジネスを食い荒らしていく
  • 論点7 Venture 日本のネットベンチャーの世代交代が加速する
  • 論点8 Monetize ウェブ2.0で本当に金を儲ける方法
  • 論点9 YouTube ユーチューブは「ネタ視聴」というパンドラの箱を開いた
  • 論点10 動画 動画と広告をマッチングするビジネスの台頭
  • 論点11 TV 日本のテレビビジネスはまもなく崩壊する
  • 論点12 番組ネット配信 NHKが通信と放送の壁をぶち壊す
  • 論点13 雑誌 雑誌とインターネットはマジックミドルで戦う
  • 論点14 新聞 新聞は非営利事業として生き残るしかない
  • 論点15 Second Life セカンドライフバブルの崩壊する時
  • 論点16 ネット下流 携帯電話インターネット層は新たな「下流」の出現
  • 論点17 Twitter 「つながり」に純化するコミュニケーションの登場
  • 論点18 Respect 「リスペクト」が無料経済を収益化する
  • 論点19 リアル世界 検索テクノロジーが人々の暮らしを覆い尽くす
  • 論点20 Wikinomics 集合知ウィキノミクスが新たな産業を生み出す

各項目について、非常に綺麗に纏めてあって、Good。なにか気になる項目があれば、読んで損はない予感。ただ、作者がなにか持論を展開してるというより、最近のトピックスの解説といったノリが強いので、作者の主張が控えめという部分では、ちと物足りないかしらん。

[ ネット未来地図 ]


メディアファクトリー MF文庫J
ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険2 /ヤマグチノボル

今日もタバサは王女イザベラの不条理な命令で様々なキツい任務に当たる……。と、軽いノリにかかわらず救いのない重い設定と内容が、あまりにやるせなくてせつなすぎるんだよなぁ。『ゼロの使い魔』はもうちょっと軽く楽しみたいと思ってるので、この外伝はちと好みではないんだよなぁ。

[ ゼロの使い魔 ]


メディアファクトリー MF文庫J
渚フォルテッシモ2 /城崎火也

ツンデレ、ツンデレっ!! はうはうはうはう、めちゃくちゃ素晴らしいぃぃ〜〜〜。

そゆわけで、UMA好きの変人、山ノ上大地と、大地の前だけでは凶暴な地を出す普段は清楚な学園のアイドル、麻生渚との、学園ドタバタラブコメ。いやぁ、今回は、新キャラに巨乳生徒会長が登場、嫉妬しまくりの渚ということで、めちゃくちゃおもしろい。いやぁ、ほんとベタベタ。いいよね、ベタ。まったくもって、ベタなツンデレを演じる渚が素晴らしいこと、素晴らしいこと。めちゃ素晴らしい〜〜。

ただ、エピローグはどうよ? この巻で締めるならともかく、続編あり&キャラ投入のこのタイミングで、空美先輩のその設定は、ありえないと思うんだよなぁ。朱里の扱いにも感じるところなのだけど、渚のツンデレぶりが素晴らしいだけに、恋愛モノとしてはちと首を傾げざるを得ない部分があるのが、気になるんだよなぁ。多角関係的な要素ではなく、あくまで、渚のツンデレの魅力だけに頼りきった作りなのは、ちと残念。

[ 渚フォルテッシモ ]


早川書房 ハヤカワ文庫JA
時砂の王 /小川一水

おもしろかったぁぁぁ。主に3世紀の日本を舞台とした、歴史改変モノなのだけど、とにかくスケールの大きさが魅力で素晴らしいなぁ。各時代を織り交ぜながら、彌与とオーヴァルの二人を軸に展開するストーリー構成も素晴らしく、良かった良かった。

26世紀、謎の増殖型機会群・ETの来襲により人類は滅亡の縁に立っていた。時間遡行の技術を得、過去にまで干渉し人類を蹂躙しようとするETに対し、人類も過去へのメッセンジャーを派遣する。というわけで、一人の女を想いつつ、数多の時間枝で滅亡していく人類を見つめてきたメッセンジャー・0の寂寥感、そして、ETとの壮大で絶望的な闘い。いやぁ、歴史改変モノらしく、ほんとスケールが大きく壮大で、おもしろいおもしろい。ストーリーの根底に、せつないラブストーリーを置いてるのも好みだなぁ。いやぁ、ホントおもしろかったです。

[ 時砂の王 ]


メディアファクトリー MF文庫J
ギャルゴ!!!!! 地方都市伝説大全 /比嘉智康

主人公の田中春男は、ギャルゲーの神様(ゴッド)、略して、ギャルゴ。どんなギャルゲでも楽々とクリアする天才プレイヤー、……って、どんなんだよ(笑)。それにしても、ゴッドの称号を得てるにしては、年間50本って少なくね?<をい(^^;

第3回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞、受賞作。うわぁ、バカだ。いい意味でバカ。おバカなノリとそれを魅せる語り口が、非常に楽しい、おもしろいっ。ギャルゲが得意な春男が、占い師だった祖母の跡を継ぎ、原因不明な都市伝説を解決する、という話で、春男と天然娘コトリとのラブコメがストーリー中心なんだけど、めちゃくちゃ楽しいノリに仕上がっていてるのよっ。なんといっても、春男やコトリをはじめ各キャラが魅力的。生き生きと個性的に描かれていって、すごくキャラが立っているのが素晴らしいなぁ。

ただ、終盤のコトリやエリアス絡みの展開は、ダメダメ。春男の決意が描きたかったんだろうけど、コトリやエリアスの想いやら各キャラの位置付けが全く生かせてないというか、まったくお話にすらなってない。もったいないなー。まあ、そこら辺は、続刊でフォローを期待、ということで。

[ ギャルゴ!!!!! ]


角川書店 角川SSC新書
自民党の終焉 民主党が政権をとる日 /森田実

だははははっ、森田実って、こんな愉快な人だったのかっ。や、TVでは割と落ち着いた語り口だった記憶があるのだけど、この本はめちゃ感情的な物言いで支離滅裂。なんというか、小泉自民とマスコミに個人的な恨みがあるとしか思えねぇ。<をい(^^;

そゆわけで、政治評論家の森田実が、先の参院選で惨敗した自民党を斬る。というか、「俺は、小泉自民が嫌いだ。参院選で惨敗、ざまあ見ろ。これからは、大好きな小沢民主の時代だっ!!」という感じかしらん。正直、もうちょっと理屈の通った内容を期待してたんだけど、マジに感情的で支離滅裂。根拠が示されてないだけでなく、ロジックの組み立ても変なので、さっぱり説得力がないのよね。正直、この本からは、まったくなにも得るものがない予感。まあ、作者の人が、小泉自民とそれを継いだ安倍さんが嫌いだったことだけは、よく分かったけど(^^;。

[ 自民党の終焉 ]


中央公論新社 C★NOVELS BIBLOTHEQUE
クレィドゥ・ザ・スカイ /森博嗣

おもしろいおもしろい。病院を抜け出した「僕」。薬のため記憶が曖昧&幻覚のため現実感が乏しい中での逃避行。いやぁ、フーコとの関係の描き方がめちゃくちゃ素晴らしい。ゾクゾクくるなぁ。そして、展開としては凄くベタだと思うのだけど、「僕」の正体と幻覚の使い方がとにかく秀逸、素晴らしい。ホント、めちゃくちゃ出来がいいよなぁ。すげーよっ!! ……ただ、やっぱし、いまいちなにがやりたいか分からないシリーズだよなぁん。

[ スカイ・クロラ ]


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