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★" Star Watching   −保管とメンテナンス−

 




保管


機材が増えてくると、心配になるのは機材の保管だ。 光学機器の天敵であるレンズのカビを発生させないようにしなければならない。 何十年も前、まだ学生だったころ、苦労して買った望遠レンズを押し入れの中でカビさせてしまったことがあるが、あの経験は二度としたくない。 カビは機材を頻繁に使っていれば発生しないと言われているが、そうは言っても急に忙しくなり、気が付けば機材に長期間触れられずにいたということだってある。 それに、梅雨時は天候が悪くて天文機材の出番が減るし、加えて湿度も高いので危険極まりない。 今のところ、以下のように機材を保管している。

  • 356mm望遠鏡、 120mm双眼望遠鏡

    これらは大きすぎて、何かの容器に入れて湿度を調整するというのは非現実的だ。 放置する以外に方法はない (でなければ部屋全体を除湿するかだが)。 356mm望遠鏡はベランダでの使用頻度を少しでも上げようと、書斎内に組み立てた状態で台車に載せ、埃が被らないように布を被せて保管している。 120mm双眼望遠鏡はベランダ常設なので、風雨を防ぐために極厚のポリエチレン袋 (0.1mm厚90L) を被せ、更にその上からテレスコープカバー (TelegizmosのT311) を掛けている。 どちらも乾燥剤やカビ防止剤は使っていないが、幸い今のところ問題は出ていない。


  • 180mm望遠鏡

    以前は、純正 (スターベース製?) のキャリングバッグに鏡筒とフジフイルムのカビ防止剤を1袋一緒に入れ、1年に1回 (梅雨前の5月と決めている) カビ防止剤を交換するだけの保管法だった。 このカビ防止剤はなかなか優秀で、この状態で10年以上保管してもカビの発生は皆無だった。 もっとも、鏡筒を頻繁に使用していたからかも知れないが。

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    しかし、最近は鏡筒の使用頻度が下がってしまったので、安心のために保管方法を変更した。 鏡筒本体とカビ防止剤を一緒に極厚のポリエチレン袋 (0.1mm厚90L) に入れ、クリップイット2個で密閉してキャリングバッグに入れている (右写真)。 更に、ポリエチレン袋の中にはモバイルドライ (MD-2) を入れて除湿し、湿度は湿度計でモニターできるようにしている (右写真、袋の中の丸いのが湿度計)。 モバイルドライはコンセントで通電させるだけで乾燥剤 (シリカゲル) を再生できる優れものだ。 再生には2時間ぐらい掛かるが、望遠鏡を出した時に再生を初めておけば、望遠鏡を取り込む頃には再生が完了しているので便利に使える。 ポリエチレンは水蒸気を少し通してしまうので、0.05mm厚程度の袋では湿度がなかなか下がらず苦労したが、0.1mm厚の極厚の袋にしてからは30〜40%ぐらいまで直ぐに下げられるようになった。



  • 82mm対空双眼鏡

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    これも以前は、キャリングケース (ペリカン 1550) に対空双眼鏡本体とアイピース一式を収納し、フジフイルムのカビ防止剤を1袋入れるだけの保管法だった。 使った後は夜露をきちんと乾かしてから収納していた (遠征から戻って来たときは1日乾かしていた) とは言え、無除湿の密閉保管なのでカビが発生してもおかしくなかったと思うが、全くカビが発生しなかったのはカビ防止剤のお蔭だろう。

    しかし、やはり安心のため、最近はペリカンケースにもモバイルドライ (MD-2) と湿度計を入れ、除湿状態で保管している (右写真、右上隅のものが湿度計)。 ペリカンケースは完全密閉型で、モバイルドライを入れるだけで30〜40%の湿度をキープできるので、保管にも便利だ。



  • その他の双眼鏡

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    その他の光学機器は防湿庫に保管している (右写真)。 その昔 (1999年)、カメラ機材用に 49L の防湿庫 (東洋リビング ED-51S) を購入した。 その後 (2002年)、カメラ機材が増えたので、49L の ED-53S を追加した。 どちらも乾燥剤式で耐久性は抜群に良い。 20年ほど使ったところで、いよいよ故障かなと思ったら壊れたのは湿度計の方で、湿度計を交換し今なお現役で活躍している。

    一時期はカメラ機材で2つの防湿庫が満杯になっていたが、現在カメラ機材は1つの棚に収まる程度まで減ってしまった。 代わりに増えたのが眼視機材だ。 最近まで幾つかの双眼鏡は防湿庫に入れられずに保管していたが、安心のため 25L の防湿庫 (ハクバ KED-25AZ) を追加し (2021年)、防湿庫3台体制となった (右写真)。 一番下が ED-51S で、10x50 WX, ED50 とカメラ機材などを収納。 下から2番目が ED-53S で、望遠鏡のアイピースケース (大と小の2つ) を蓋を半開きにしてケースごと収納、さらに 8x30 EII, 2x54 UWA とフィルターなどのアクセサリー類を収納している。 一番上が KED-25AZ で、10x50 FMT, 8x42 MHG, 10x32 NL を収納している。 大きい防湿庫一つにまとめるという手もあるのだろうが、電気代は3台でもたかが知れているし、小分けにした方が何かと便利で安心だ。 ちなみに、低湿度で発生するカビもあるらしいので、念のため各防湿庫にはフジフイルムのカビ防止剤も1袋づつ入れている。



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by Satoshi ISHIZAKA