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97年1月

1/1
とうとうアメリカで年を越してしまいました。

ここで初めて迎える大晦日には蕎麦、元日には餅を一応食べてはみたけれど、正月らしい気分は特になし。正月休みがないせいか、炬燵でみかんがないからか、日本の正月番組を見ないためなのか。
New Year's Day のニューヨークのタイムズ・スクエアは大変な騒ぎだったらしいがニュースで見ただけ。おまけにこの冬一番の寒さ(マイナス10度C)。

ともあれ、気持ちを新たにしてアメリカ生活に取り組みたいと思います。って気にあまりなれないのがアメリカの正月であることよ。

1/3
カーネギーホールのチケットを取る。ボストン響、ウィーン・フィルはかろうじて入手。ウィーン・フィルの「視界が限られる席」とは一体いかなる席か。かつての"神童"キーシンのチケットはとれず。一般売出しの初日にとれないとは。ニューヨーク・フィルとの共演の方のチケットも取れなかった。今でも人気なんだなあ。ニューヨーク・フィルは"Midori"こと五嶋みどりのも取れず。どちらの劇場も寄付をいっぱいすると優先予約が出来る仕組みです。

1/9
雪。
今日は「ミス・ホンコン」と言われた。なぜ香港?今まで挙がった国はタイ、韓国。日本人と当てたのはタイ人と中国人。「Junk Science」という番組を見る。今までいかに"junk"なサイエンスが提唱され流布されて来たかという話だが、ビタミンCが風邪に効くと今まで信じていた私は遅すぎる?ノーベル賞を取り上げてしまえ。
「Suddnly Susan」にこないだ大統領選で負けたドール議員がドール役で出ていた。テレビのことぐらいしか書くことがない割に休みが明けてこっち面白いテレビがなくて虚しい。

虚しいついでにマンガのことも書くと、コネチカットポスト紙には「コボちゃん」のような4コママンガが1ダース載っている。日曜版にはマンガ別冊も。マンガとテレビ欄が婦人面に入ってるってのはちょっとバカにされてないか?
一番好きなのはやっぱりスヌーピーの「Peanuts」.かの犬くんは単に"dog"と言われるだけで"スヌーピー"と呼ばれたのは見たことがない。これはほんとに彼の名か?ちなみに引越し当初、旧隣人が立てていたスヌーピーの板を家の目印にしていた。
ちょっといじわるでシニカルな猫の「Garfield」も好き。アメリカでは人気のキャラクターらしい。ビッケのハルバル父さんを思わせるバイキングもの「Hager the Horrible」とOLもの「Cathy」も毎日読む。Cathy はファッションやダイエットなど日本のOLものとわりないネタなのだが、母親に依存してそうに見えてちゃんと自活してるところがアメリカ。
他に日本でのイメージからはちょっと想像つかないストリート・キッズ風の「孤児アニー」、日曜版だけに出ている「Amazing Spider-man」など。

「Peanuts」は他でも連載されているのだろうか?コネチカットポスト紙の連載が日本でも有名つうのはちょっと考えられない。知りたい。と思ったらすぐ調べられた。いい時代になったなあ。
"Peanuts appears in 2,600 newspapers worldwide"だそうだ。詳しくはSnoopy's Doghouse
スヌーピー着ぐるみがあれば欲しい。

1/10
松田聖子離婚に驚いた。

1/12
「水すまし」発言が問題になっているらしいが、私はスピード・スケートは好きだ。 アメリカ人はアイス・スケートが好きだ。CBSでは毎週スケート選手権を放送している。「トーイ・ストーリー on Ice」とか、アイス・ショウもしょっちゅうあちこちでやっている。女子がお尻を突き出しながら後ろに滑っていく姿とか、男子のタイツ王子様ルック、エッチすぎるアイス・ダンスなど馬鹿げた振る舞いが多い気がして私はそんなに好きじゃない。と言いつつ結構見る。
今日は女子プロ・スケーターの選手権だった。生放送ではなく昨年11月の。日本の佐藤由香がダントツ1位。アメリカに来てから時折発症する「にわか国粋主義者病」で興奮。音楽は「牧神の午後」など使ってコスチュームもお洒落でよろしい。カタリナ・ビットがまだやっていて、もともとジャンプが苦手そうだったのがますます出来なくて見ていて苦しい。それにしても「83年のオリンピック・チャンピオン」とかいう人も出ていて、欧米人の体力は底知れない。

アメリカのプロ・スケートの傾向は音楽が歌付きロックとかで動きがそれ風だったり服が裸同然だったりして、こういうのは好きじゃない。スケート靴を履く必然性がない踊りはいかん。男子も普通のスラックスを穿いていたりするのだが、潔く回りやすいぴったりタイツを穿くとよい。先週出てた男子のロシアのイリア君(名字失念)はくるくる回ってくれて気持ちがよかった。やっぱアイス・スケートの醍醐味はジャンプと思う。
こういう番組は必ずあの"鼻水ブー"スコット・ハミルトンが解説をやっていて、彼やクリスティー・ヤマグチが出るショウもやる気がした。「Rock on Ice」とかいう馬鹿げた集い。こういうのは好きじゃない。と言いつつ見ると思う。

1/17
日本のTV番組のビデオを海外でレンタルするのが合法になった。よかったあ、危うく犯罪者になるとこだった。

先日ここにビデオの話を書いたのだが、夫に違法だと指摘されてびびって消したところ。海外に住んでいて日本のTV番組を見たいという欲求は結構切実なものだ。
あやうく犯罪を犯すとこだった経験としては他に国勢調査がある。これは日本での話。調査票の提出を拒否したら、調査員が改めて「お願い」に来て、何でもいいから書いて出してくれ(と私は解釈した)、出さないと違法で罰金と禁固(ひぃ)の懲罰あり、と言われてびびって出した。 統計に関係ありと思われる部分は正しく書いた。他の欄もちゃんと埋めた。私は根がまじめな小心者です。ちなみに今までこれで逮捕された人はいないと聞く。
車の運転をしていれば日常生活で犯罪者になる可能性が誰にでも簡単あるのだが、この場合はある程度意識されていると思う。「知らなかった」ことで何の罪の自覚もなく犯罪を犯すことが簡単だと実感される数少ない機会だった。

誤解を招くといけないのでいちおう書いておくと、日本のTV番組のビデオの複製で商売するのは日本国内では違法です。買った・借りた方も犯罪です。海外でも著作権料を支払った特定の供給業者が複製したもののみ合法です。

1/18
今日はまじでまじでまじで寒い。と昨日も思った。晴れの日中でも華氏10度なので摂氏でマイナス12度C位?深夜にはー15度Cにまでなっていた。それでも大寒波のヨーロッパに比べたらなんちうことないらしいですが。
ヒーターが壊れたら凍死間違いなしと思う今日このごろ。アメリカは現代文明なくしては生きられない国であることよ。

1/19

AOLが危ない

米パソ通最大手のAOLが大問題になっている。他州では訴訟も起きているらしい。よかった早く足ぬけして。
昨日、今日と連日新聞沙汰。AOLは昨年12月から従量課金に加え月額固定料金制を導入し、インターネットアクセスが簡単に出来るプログラムを組み込んで従来のパソコン通信とインターネットプロバイダを統合するサービスに転換したのだが、この月額固定料金制の考えなし導入が大手通信業者にあるまじき大失敗だそうだ。
新規加入ユーザー増加に加え従来のユーザーも利用時間が倍増し、そのために常に"busy"でアクセスポイントに繋がらない状態になっている。11月の利用者アクセス時間計が60億時間、12月は100億時間以上に激増、AOLは250億円(いまどき$1=100円計算)を投入して大改善を図ると言っているのだが一向に改善めどがたっていないとのこと。 この記事のライターは即刻利用者にお金を返せとか無茶なことを書いている。それでも訴訟になって賠償金を払うよりはいいか。激増する新規加入者からは1ヶ月間一円も取れないのだから(お試し期間なので)投資費用の回収は大変だ。やーい、苦しめー、わたしをいじめた報いを受けろー
筆者とAOLの苦闘の歴史はこちら

1/25

オペラ「ラ・ボエーム」を見る

New Haven の劇場 Shubert でニューヨーク・シティー・オペラの「ラ・ボエーム」を見る。面白かった。最後ちょっと泣いちゃった。ミミーっ!
帰りに後ろを歩いてた人が「彼女は高音に難有り」と言っていたが私はわかんなかった。気が遠くなる程美しいソプラノというのではなかったけど。Colline 役(と思う)の東洋人が最も喝采を浴びていた。
座席に字幕が出るって話はなかったっけ?それはメトロポリタン・オペラか。おばさんどうして今笑うの?イタリア人?など数単語しかわからないイタリア語で戸惑ったけれどもそれはそれでOK。わかったらもっと面白いとは思う。

1/26
たまたまNJのヤオハンに行ったら全品2割引だった。大丈夫か?経営不振らしいけど。心配。我々が帰国するまではもってほしい。

近所のスーパーではスーパーボウル・ケーキ、スーパーボウル・クッキーなどが並んでいた。地元のチームが出ているので盛り上がっているらしい。私にはラグビーとアメフト(アメリカでは単に「フットボール」だが)の見分けも付かないくらいだからわからないが、フットボール世界一(アメリカ人は大抵のアメリカ1をこう呼ぶ)を決めるスーパー・ボウルは歴代視聴率何位とかに入る超人気。
結局 New England Patriots は負けちゃいました。

1/27

雪の夜の惨劇

夜間のESLクラスに行った。徒歩1時間弱というアメリカ郊外の感覚では至近距離を車で送ってもらった。雪なので1時間早く終わった。迎えに来てもらおうと思って電話した。話中だった。電話した。話中だった。電話した。呼び出し音が出た。おじさんの声が25セント入れろと言った。入れた。話中になった。しばらく待ってまた電話した。話中だった。どうやら夫はモデムを使って通信中らしい。夜はなかなかプロバイダに繋がらないし、通話料は定額なので繋がったら最後切らない。我が家に電話回線は1本。約束のお迎え時間まで1時間。
歩いた
途中に墓地があった。傘はない。人はどれ位で凍死するものかと考えていた。涙も鼻水も凍る雪の夜だった。

1/28
早起きのおかげで面白いTV番組を見つけた。日頃の寝坊がばれるのであえて時間は伏せるが午前9:00ET(東部時間)PBSの「Lamb Chop's Play-along!」だ。「お母さんといっしょ」の位置付けだが、ミュージカルの「アニー」がおばさんになったような外見のとんでもなく上手い腹話術師が"Lamb Chop"(羊), "Charlie Hourse"(馬), "Hush puppy"(犬)の3匹を操って歌い、歌わせ、踊り、踊らせる。こんな芸人がアメリカにはざらにいるのだろうか?
お話ありゲームありの楽しい番組構成だが何と言っても"Lamb Chop"がいい。「術」がうまいことも当然あるのだがキャラクターが生きている。愛があるんだろうなあ。

結局子供番組ばかり見ているのだった。英語推定精神年齢6才。

1/30
ニューヨークの地下鉄でちょっとやばい人がいた。「今すぐ座りたいのだ」と言って人をどかしていた。マルコムXの帽子を被ったおじさん。座ってたら恐かったと思う。

初めて夜の地下鉄に乗った。10時過ぎ。ミッドタウンだったらわりと大丈夫かもしれないと思った。

カーネギーホールでクリーヴランド・オーケストラを聴く。Dress Circle 席だが3Fの1 番前の端から3番め。手すりにかぶり付き。ほぼ真横だが舞台至近でオーケストラが異様によく見下ろせるという楽しみが。

曲目はマーラーの一曲を除いてシューベルト。歌曲を挟むなど飽きさせない(寝かさない)プログラム。シューベルト交響曲10番が演奏される。未完成の第一楽章のみで、1978年に発見されたという幻の曲。今日の演奏はほぼ楽譜通りという金管がほとんど入らない版。明日は大幅加筆修正版らしい。そっちも聞きたい。名曲でした。

開演は午後8時からなので10時過ぎに終わって家に着いたら1時前。平日のカーネギーホールはちょっと厳しい。

1/31
我が家にプライムスター(衛星放送)がやってきた!
アメリカでは地域によって家の前等に受信用のお皿をつけるがの禁止されているらしい。美観を損ねるとか。

日本語のテレビ。感激。日本のニュースをほぼリアルタイムで見る。感涙。インストレーション費用がキャンペーン中で半額以下の$95。受信料は$32/月+TVジャパンが$20/月。これならケーブルテレビと大差ない。懐かしの「マッハGOGOGO!」を見てびっくり。「Speed Racer」というタイトル。週6やってる人気番組。元々左ハンドルだったかなあ?
基本セットにもかかわらずチャンネル数があまりにも多くて見切れない。これはやばい。一日家にいる生活だったらテレビを見続けたかもしれない。

今日はもう1件。あえて名前は伏せるが某日本食スーパーで先日「ししとう」を買った。しし唐は Fairfield では買えない日本食材。テレビの Informmercial(番組体CMとでも言うか。例えば調理器具なら料理番組を装った宣伝番組)で見て買った"Brown & Crisp"を試したくて調理。この"Brown & Crisp"は「レンジでチン」する袋の一種だが、中身がこんがりクリスピーに仕上がるという優れもの(未確認)。ちなみに私はテレビショッピング番組が大好きだ。日本の「ジャスト一万円」よりずっと面白いぞ。アメリカには映画「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」のロザリー一家(一日中TVショッピングを見ては「ワーオ!」とか「グレイト!」とか言ってるTVショッピング大好き一家)が恐らく実在する。

実験結果を見るために一つ味見した。その時は「ししとうってこんなに辛かったかな」と思った。その後口腔から胃まで全ての道が燃えた。青唐辛子が混ざっていたのだ。こんなのって!結局2本混ざっており、全く見分けは付かなかった。もしかして突然変異?

その夜は下痢した。


97年2月へつづく