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97年5月

5/2
今日バックパック(リュック)褒められちゃった。ニューヨークの街中で突然大きな黒人の女の人が近寄って来て「そのリュックどこで買ったの?」と聞かれた。残念ながらその辺ではなくフィラデルフィアでした。

TOEIC(商業英語試験)を受けたら日本にいた時より一段階上がっていた。アメリカに来てみるものだ。しかしそのスコアに関する説明書に書かれている英語力が自分にあるとは到底思えないのだった。

5/3
New Haven 観光
遅ればせながら Yale の美術館を見た。レンブラント、フラゴナール、ティアポロ、ミレー、コロー、クレーなどざくざく。ピカソ、ゴッホも。さすがにいわゆる「名画」がそこかしこに、というのではないが、あまりの量に溺れてしまうメトロポリタン、ボストン美術館等と比べ手頃なサイズがよかった。

アメリカぐるめ探訪記--その7
「世界一おいしいピザ屋」(元地元民談)に行った。Yale キャンパスから車で5分位のイタリア人街(?)の一角にある「Pepe's」
それが、いや、本当に、いまだかつて食べた中で最もおいしいピザだったのだ。
アメリカでは数少ない(元地元民談)煉瓦の窯を使って焼いており、クラム(蛤)はイタリア風の薄い台にトマトソースなし、チーズなしの生まれて初めて食べる味。これがピザとは!感激のあまり追加注文をしたら叱られてしまった。一度に頼めと言うのだ。確かに焼けるまで時間がかかるし(注文してから焼く)雨の中行列は店の外まで。焼けるのを待つ時間が居たたまれなかった。ここで私が思ったこと。

  1. こういうことを気にする人率と気にしない人率はどちらが高いか?
  2. ここで怒るのが正しい反応か?
  3. 我々が年相応に見えたら叱られなかっただろう
私はこうしたことを執念深く気に病む質。外国生活に向かないタイプ。
一枚目でやめてたら又明日にも行きたい店だった。叱られちゃったのでもしかしたらもう二度と行かないかもしれないぞ。
一言アメリカ語講座:イタリア系のピザ屋では「ピザ」は「パイ」と呼ばれます。

5/5
Fairfield 観光
何とうちはビーチ・リゾートであった。
車で湖に15分、海に8分の至近。両方砂浜の海(湖)水浴場。海辺に住むなんて今後一生二度とないだろう。それにしても今まで知らなかった不覚。余裕がなかったんだなあ。
先日申し込んだ海浜公園利用フリーパス(車10ドル、人間一人頭15ドル)が市から送られて来て、この夏はリゾート邦題。これが私の生活とは。
「ニューヨークの春は5日で終わって夏が来る」と言われる。確かにこれは初夏の日差し、初夏の風。

浜辺のかもめと筆者

5/9
鳥 Lady
今日はとても寒かった。吐く息が白かった。
電車の中に風変わりな老婦人がいた。ハトの鳴声が最も近いと思われるクークー音が絶えずしているので車内に鳥が?と不審に思っていたら、2列後ろの上品な老婦人が降り際に「私がハミングしていたのがご迷惑じゃなかった?」と優雅に謝って去った。

円が高騰ニューヨーク市場119円台。今のうちに日本の預金を送金しようか?何しろ数日前まで124円台だったのだから。しかし悩む。為替はギャンブルだ。私はギャンブルが好きではない。読みが当たったためしがないので。外れると損するばかりか自分の能力や知識が否定されるようで打撃が大きい。

5/10
New Haven の劇場 Shubert で New York Gilbert & Sullivan Players のオペレッタ「The Piretes of Penzance」を見た。うーん、まあ面白かったけど、一幕目に比べて二幕目 がしょぼいか。英語なので内容は他のイタリア語オペラよりわかりやすかったが、アメリカ人の受け所がイマイチわからなかった。警官が坊さんのミサの真似事をする場面があるが、それが何故ここまで笑えるんだか。こういうことはアメリカに長年住んだとしても私には理解することが出来ないかもしれない。

ところでここが名画"All about Eve"に出てきた。もしかして有名な劇場だった。

5/11
小特集アメリカ和食紀行--すし編
New Haven に新装開店の日本料理屋「ハヤ」で食事した。以前は別の場所でヌードル・ショップだった。この場所は元韓国料理店。
寿司と刺し身を注文。うーん。ネタの種類は悪くないが(他ではあまり出ない鯛とか)内容が。鮮度が良くないのは日曜日なので割り引くとしても。それにシャリが。
結局各地で寿司や刺し身を食べて、うちの近所の「マコ」のネタが一番いいのだった。「初花」のカウンターで「次は平目を握ってもらおうか」をやった訳じゃなくて「寿司セット」を食べただけだから、本当の味を知らないと言われればそれまでだが。

今まで行ったニューヨークの店と「マコ」以外はどこも中国人の経営。旨ければどうでもいいことだが、シャリは出身地で左右されるかもしれない。これに関しては「マコ」がいいとは言わない。私の好みは江戸前。マコさんはおそらく東海地方の出身(名古屋弁だから)で甘い。それでも中国系のバサつく米よりいいだろうか?甲乙付け難い。

こういうことを書くのはどうかとも思うけど
New York
私の評価では「寿司田」のネタが上。「初花」は店の雰囲気がよく、種類は豊富。
New Haven
「SAMURAI」(寿司屋)より「HAYA」(日本料理店)がいい。かな? どちらにしろお腹をいっぱいにしたいんじゃなくおいしい寿司が食べたい日はニューヨーク等へ遠出した方が。

これらのどこより Fairfield の「Mako of Japan」(日本料理店)がいい。 選り方も鮮度も調理法もいいのだと思う。ただし庶民的なネタで、種類が多くはありません。「Mako」には劣るが「Fuji Mountain」も悪くない。うちの近所は意外な寿司の穴場?(注:NYから食べに来る程の価値があるとは言ってません)

寿司小話2話:
「初花」でタコだかイカだかを「テリヤキ」にして握ってくれと言った人がいた。板さんは断っていた。アナゴのタレを塗ってやればいいと思った。
人から聞いた話。アメリカ人の友人と寿司屋に行ったら「今日はツナにする」と彼は言った。確かにアメリカ料理で魚を食べる時はマグロだったらマグロだけを大量に食べる。しかし寿司屋ではそうじゃない、ツナもホワイト・フィッシュもサーモンも食べればよいのだ、と言っても「なぜ?」と聞かれ、遂に友人を納得させることが出来なかったと言う。食習慣の説明は我々にとっては当然のことであるだけに難しい。

謎のヒバチ:
米製和食に"hibachi"というものがある。Home Depot(アメリカ各地にある"Do it your self")やスーパーマーケットでそれ用の器具も売っている。「火鉢」ではない。どうやら卓上バーベキューのようなものであるらしい。とてもポピュラーな米製和食に"teppan"というものもあって、この両者の違いは定かでない。"teppan"を店で頼むとハッピの若者が鉄板を打ち鳴らしつつ派手に肉や焼きソバを焼く芸が見られる。"hibachi"は多分そういうことはしない。

アメリカ和食紀行--餃子編
アメリカで食べる餃子は皮が厚い。もちもちして別物。ので敬遠していたら、灯台下暗し、「マコ」の餃子がうまかった。日本の多くのラーメン屋レベルには達している。アメリカではあまり注文しない方がいい食べ物の一つです。

5/14
Old Greenwich(天文台のグリニッジと同じ地名なのでそう発音して下さい)の日本食料品店「Fuji Mart」に行った。家から車で30分。ここの2階には日本語通じる歯医者も(医者はアメリカ人で通訳が付く)。歯医者では久々に女性自身など読んで「歯医者の待合室気分」を味わう。
さて、この店が結構いいとこだった。規模はコンビニ程度だが「日本食材もある中華食材店」と違い全てが日本もの。なので充分用が足りる量。魚、魚の開き、刺し身もあって、この辺の日本人が羨ましい。値段が日本での売値やアメリカの物価と考え合わせてもリーズナブル。もしかして今までNJの某大手日系スーパーで必要以上に散財して来たか?殿様商売というやつか?ちょっと悔しい。相当お世話になったのだが。
以前無料の日本人向けアメリカ情報誌でコネチカット州には日本食材店がたくさんあるという記事を見た。しかしこうした小さい店は地元でないと知らない。誰か「アメリカ東海岸内日本マップ」とか作ってくれないかな。

5/18
秋は落ち葉拾い。春は芝刈りの季節。私は芝など刈ったことはない。親の家ではいつの間にか刈られていたし、庭付きの自分の家など持ったことはない。が、今やあるのだった。ウチの「庭」かどうかは不明だが、ヨソの人が手入れをしに来てくれるとは思われない森のような敷地が。もうその裏の荒れ地はどうにもならないとして、表は放置する訳にいかない。アメリカ人は近所と競争のように庭の手入れをする。荒れると美観が損なわれ、地価の低下に繋がるため。
確かにアメリカで「良い地域」と「悪い地域」を分けているのは家の広さや造りではなく、交通の便や都市部へのアクセスでもない(どちらも関係はあると思うけど)。地価の高さで世界有数のニューヨークにあってハーレムでは、超豪華マンションが住む人もなく犯罪者や麻薬中毒者の巣になっているという。ハーレムが空き家を作ったのではない。空き家がハーレムの侵食を許したのだ。という話はニューヨーカーの受け売り。管理された家々が並ぶ地域が「良い地域」。自分でやる贅沢、時間がない人には各種業者が。どちらにしろ余裕がある人々が住んでいることになる。

さて、芝刈り。秋の落ち葉掃きは見かねた大家さんが業者を頼んでくれてしのいだ。春になって気づくとウチの表にだけ麦のような穂を実らせた雑草が。これはいかん、ご近所から苦情が、と抜こうとしてこれが「実を付けた芝生」であることに気づいた。止む無く鋏で切ったがきりがなく、遂に芝刈り機を購入。多くは100ドル以上で電動だが60ドルの格安手動。慣れれば多少は楽しかったが、週末はそれで終わり、筋肉痛が残った。私は「庭付き一戸建て」願望はない。日本へ帰ったら庭なしマンション(英語の mansion=邸宅ではなく日本語の鉄筋コンクリ高層住宅)に住みたい。

5/21
今日は裏庭の芝刈りをした。晴れたので中断した。明日も芝刈りをした。と日記に書く日々を過ごすうちに真っ白に燃え尽きそうだ。残念ながら夏休みは集中ESLに行くことにしたのでその機会は多分ない。

家はまだ売れない。先週までバイヤー、不動産鑑定士等が出入りしたが、大家夫妻がカリフォルニアにヴァケイションのため交渉中断か。以前から病気と聞いており、家を手放すのはよくよくのことと心配したが、バカンス(静養?)な余力があるなら元気かも。
不動産屋はご子息が元日本の中学の英語教師という知日家。彼女の教育の成果か皆さん自発的に靴を脱いでくれる。日本から持ってきたスリッパではアメリカ人の巨足に入らず裸足にさせて気の毒だが「いい案だ、家が汚れない」、「うちでもこうしたい」と評判。だったらすれば。実はアメリカ人の6、7割が家では靴を脱いでいるという統計がある。通常靴は寝室等のクローゼットに入れるので、部屋で脱ぐか、玄関で脱ぐかだけの違い。そこが家と外に対する欧米人と日本人の世界観の違いか。アメリカ人もウチでは靴を脱ぐ。最も裸足にはならない。靴下か室内履きかの割合は忘れた。

5/23
アメリカぐるめ探訪記--その8 韓国料理編
先日何かの拍子で異常に焼き肉が食べたかった。しかし電話帳で探しても近所に韓国料理屋はない。そこで日を改めてニューヨークミッドタウンの韓国人街にある韓国料理「コム・タン・ハウス」に行った。この辺にはカラオケ屋や看板の日本語表記も多く、日本人の出入も多い模様。この店のメニューには寿司等の和食もあり、店内の客4組のうち3組(含む我々)が日本人。おそらく観光客で、ちと恥ずかしい行動も。3回座る席を移動した一組(何故?)。「お水くださーい」と叫ぶおばさん。我々は頼みすぎで残しすぎ。久々にやってしまった。韓国料理なのでアメリカン・サイズを考慮し忘れて。
店の看板はもちろん焼き肉(アメリカでは bar-b-q)で、炭火を使うのが売り。面倒になって様々な部位セットを注文。どっちかっていうと野菜の方が好きだがメニューになく、肉に付いてもこなかった。焼くのはひたすら肉。おねえさんが来て焼いてくれるし結構親切。他にユッケ、冷麺、ユッケ・ビビンバ。おまけのナムル、キムチ等箸休め各種が旨かった。焼き肉のタレはあの甘辛のでなく塩、胡椒、油。もし頼んだのがこの半分だったら満足して帰ったと思う。飽食アメリカにあってここは韓国疎開。倹約が美徳かも。非常に恐縮した。おまけに帰りの電車で腹痛脂汗だった(念のため書くと Metro North 車内にはお手洗い有)。
正直なところ赤坂の韓国料理店街の方がおいしいと私は思う。肉は堅め。味は大味。しかし値段は半額。ニューヨーク観光の肉好きさんにおすすめ。

5/25
最近日記に書くことないし、読んでも我ながらつまらない。と思ったがこれはいいこと。日々生活が平和になった証拠。

20%引券と買いだめ用リストを持って Westport に新装開店の大手書店「Barnes & Noble」に行った。今までニューヨークで行ったどこの支店(か本店か)より広いかも。たいていの支店にカフェがあり、買わない本を持ち込んで読める。タダのコーヒーと椅子を置いている本屋もあり、アメリカでは立ち読み(どころか座り読み)に異常に寛容。
この本屋と提携しているカフェ Starbucks はアメリカで唯一「飲める」コーヒーを出す店。もとは大学生が始めたベンチャーとか。コーヒーはもちろんスコーンもおいしかった。ボストンでのように全米を制覇してもらいたい。

買い物カゴ一杯ペーパーバック買って100ドル。20ドルしか得しなかった。

5/26
今日はメモリアル・デイ。元は The Civil War(南北戦争)の戦死者の墓を飾る日で今は戦死者全般記念。こういう戦争関係記念日は何となく居心地が悪い。

晴れの休日、I-95を車でぶっとばして Bronx の「Edogar Allan Poe Cottage」に行った。ポーが4年間住んでいた家。着いたら休館日だった。開館は土日のみ。日本で祝日休館とは考えられないが、アメリカではまあ普通かも。
折角ここまで来たのでニュージャージーのヤオハンに寄って帰った。

特別編集3州横断写真日記はこちら

5/28
今日も芝刈りをしていたら、隣のおじさんが電動芝刈機と人手(隣の子供達)を貸してくれると言ってきた。いい人じゃん。この惨状を見かねてか。

こちらの新聞にも伊良部ヤンキース入団(契約はまだ)の記事が出た。写真も載ってて大変な期待されぶり。伊良部はそれに応えられるのか?

車椅子バービー人形新発売。さすがはアメリカ。車椅子の色はピンクだそうだ。お洒落。
そういえば先日電車で車椅子の人と乗り合わせた。そしたら人々が彼女にとても親切なことに感銘を受けた。車掌は度々様子を見に来るし、4人対面席(が一両に2個所ある)のおじさんは自分の座に呼んであげた。学生は下りる時手を貸そうとした。彼女も親切な人で、私が寝てて起きたら次の駅名を教えてくれた。実際は車椅子を操る名手で助けを借りる必要は全くなく、他の歩く誰よりも速くニューヨークの雑踏に消えていった。

5/30
また電車ネタ。乗る距離が旅行並に長いのでいろんな目に遭うんだと思う。
そういえば今日は松葉杖の人がいた。やっぱり皆荷物持ってあげたり親切だった。日本でも東京に限った話かもしれないが、他人にぶつかっても知らん顔、何があっても見て見ぬふり、っていうあれは、どこの外国人が見ても不思議じゃないだろうか?とはいえ、座る時いちいち隣の人に何か言わなくちゃならなくて("Can I sit here?", "Isn't this seat taken?"とか単に"Hi."とか)逆に何か話掛けられるかもしれなくて、という遠距離電車通学を重荷に感じることはある。英会話の機会を少しでも増やしたい人向き。

本題。時々電車賃を払おうとしない乗客がいる。
Metro-North は車内で車掌が改札する。切符は車内でも買えるが割増し(発券所が閉まっている時間帯は同額)。切符を渡すと車掌が行き先を示す印を付けた紙片を前座席の肩に付いたポケットに差す。
前回見たのは切符は別の車掌に渡した、席を移動した、どこから乗ったかわからないと言い張る二人連れ。次々に車掌が来て終いには全車掌が集まり問い詰められて遂に払った。
今日は最初英語がわからないふり(実はネイティヴ並)後にお金が見付からないと言う人で、車掌と喧嘩になって「セクハラだ」(何故?)、「XXXX」(いけない言葉と思って下さい)等叫び、車掌が去った後も「全ての国民が電車賃を払えるほどアメリカ経済は豊かであろうか」等の演説を行った。確かに切符は高いと思う。うちからニューヨークまで片道10ドル以上。しかし距離にしては安いかも。彼は1976年にアルゼンチンから来たとか。恐くて振り返れず結局彼がお金を払ったかどうかは知らない。

5/31
伊良部入団決まってよかったね。今日のコネチカット・ポスト紙でスポーツ面トップ。TVでも報道され、CNNのキャスターはスターになるだろうと言った。応援に行くぜヤンキースタジアム。

再度 Fuji Mart に行った。鯛とマグロの刺し身を買った。家で食べた。旨かったあーー
ニューヨークの寿司屋より絶対上。熱海や伊豆ぐらいか。同じ海沿いだもの当然か。鯛は他の魚と同等の値段で日本人にはお買得。日本でだけ鯛が特別な魚というのはどうやら本当。食感は弾力と歯ごたえが。マグロはトロの舌触りでしかし赤身だからさっぱり。アメリカでマグロは赤身。肉も赤身しか食べないし、これも健康病の表れか。
高級レストランの手の込んだ料理もいいが、結局一番おいしいと思うのは上等の刺し身や牛フィレのステーキを塩胡椒のみでといった素材を食べるものなのだった。


97年6月へつづく